2019 Fiscal Year Research-status Report
非可換な代数構造を利用した公開鍵暗号方式の一般的構成方法の提案
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19K03612
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 英介 東北大学, データ駆動科学・AI教育研究センター, 助教 (30400443)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 公開鍵暗号方式 / 非可換群 / 非可換環 |
Outline of Annual Research Achievements |
A. 非アーベル群上の暗号方式について: 研究代表者らが本研究に先立って構成していたAAG暗号方式について, その安全性を高めるための考察を行った. 具体的には, (i) 暗号方式の構成に構造が単純な非アーベル群, 特に位数が異なる2素数の積であるような群を利用する, (ii) 既存の方式のエッセンスを生かしつつより単純な暗号方式に改良する, というアプローチで考察を進めた. その過程において, 有限群の一般論を利用してAAG暗号方式の安全性の根拠となる問題が, (i)で利用する群上でどの程度難しいか検討を行った. その結果, その群上で構成したAAG暗号方式の安全性を高めるために必要とされる条件を明らかにすることができた. このことは, 暗号方式内の鍵生成等に, 群内のどのような性質を持った元を利用するのが適切であるかという問題に対する一つの解を与えている. 一方で, 元の選び方を適切に行ったとしても, 既存の方式が抱えている問題点を解決できない場合があることも判明した. さらに, この問題点と暗号方式の安全性は密接に関わっていることも明らかになった. そのため, 暗号方式をどのように改良するかについての結論はまだ出ておらず, 現在進行形で検討を進めている. B. 非可換環上の両側加群を利用した暗号方式について: 2019年度に行われた研究集会に参加し, 本研究に関連する研究について発表した研究者と議論を行うとともに最新の研究状況を収集してきた. 合わせて, 必要な研究資料の収集を開始した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AAG暗号方式を構成する群が単純な構造の非アーベル群であれば, 比較的解析が容易であると考えていたが, 研究実績の概要でも述べた通り, 予想以上に困難であることが判明した. この部分を解決する方法の検討に時間がかかっているため, やや遅れているとした.
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Strategy for Future Research Activity |
A. 2019年度に実施したAAG暗号方式の再考察の過程で明らかになった問題点について, その解決を図る. 具体的には, 既存の方式が抱える問題点と安全性のトレードオフをより精密に解析し, 安全性を可能な限り高めるようなプロトコルの形を決定する. B. 収集した研究資料をもとに当初予定していた方法に従い, 非可換環上の両側加群を利用した公開鍵暗号方式を構成し, その安全性証明を行う.
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Causes of Carryover |
主に旅費の執行が計画通りに進まなかった. これは, 学内業務の都合上, 長期間の出張ができなかったことによるものである. なお, 当該業務は2019年度で終了しており, 2020年度以降に影響を及ぼすものではない. 未執行分については, 2020年度に予定している設備備品費や旅費等に充てる予定である.
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Research Products
(2 results)