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2020 Fiscal Year Research-status Report

Frontier Exploration of Internal Transport Barrier Formation for Fusion Plasma by Electromagnetic Field Control

Research Project

Project/Area Number 19K03792
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

南 貴司  京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (40260046)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsマルチパストムソン散乱計測 / 電子プラズマ熱輸送 / 電子内部輸送法壁 / 磁気島形成 / 閉じこめ改善
Outline of Annual Research Achievements

マルチパストムソン散乱計測装置はプラズマ中に入射されたレーザー光をミラーを用いて複数回往復させる手法である。ダブルポケルスセル型のマルチパストムソン散乱計測装置(DPMP-TH)は最終ミラーの前に第2のポケルスセル偏光光学系を設置することにより、プラズマの外側後方で複数回レーザーを往復させ”レーザーパルスを閉じ込めておく”ことにより、レーザーパルスがプラズマにもどる時間を遅らせることにより後方散乱光と前方散乱光を完全に分離して計測する。これにより非等方な電子速度分布関数の測定が可能になるため内部輸送障壁形成時の速度分布の非等方性に対して知見を得ることを目指す。
また並行してHeliotron J装置における電磁場制御によるプラズマ実験を実施する。プラズマ電流を制御することにより磁場構造を制御し有理面や磁気島形成の電子内部輸送障壁形成への影響を調べる。輸送改善領域の電場計測、プラズマ流計測を通して輸送改善領域の拡大現象の物理機構を調べる。
研究計画2年度はシングルポケルスセル型マルチパストムソン散乱計測装置(SPMP-TH)の設計を用いて昨年度明らかになった問題点を改良し性能試験を行い、その結果を基に、DPMP-THの検討、設計、開発を実施するという計画であった。計画はCOVID-19や学生によるレーザー作業中の予期せぬ事故があり、予定外の問題が発生したが、初期的な性能試験を実施することができ、マルチパスレーザーパルスの往復確認やマルチパストムソン散乱計測光の観測に成功した。またDPMP-THのレーザービーム伝送光学系の設計検討を行い、この成果は学会発表を行い論文として公表した。
また同時並行して、電子サイクロトロン波電流駆動を用いて電子内部の形成実験を行い駆動電流を増やすことにより閉じこめ改善領域を拡大可能なことを見いだした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

初年度はHeliototron J装置のNd:YAGレーザー装置に光学系を設置し初期的な計測実験を開始した。窒素ガスによるラマン散乱を用いた試験に成功し、装置が設計通り動作することを確認した。一方、高パワー用のレーザーミラーの耐久力が十分でなくマルチパス動作時に損傷するという問題が生じた。またマルチパスレーザー光軸調整方法に予期しない問題があり十分な精度で光軸調整できないという問題が生じた。この問題はビーム伝送光学系の改良で解決されると考え改良を実施し、実験を行い確認する計画であったがレーザー使用時に事故が発生しレーザー実験が中止されることになった。そのため初年度は、予め計画された実験計画を完遂することはできなかった。
2年度は、DPMP-THの開発に着手した。しかしCOVID-19のためにアメリカからのポケルスセルや光学コンポーネントの購入が大きく遅れることとなった。DPMP-THのためのレーザービーム伝送光学系、そしてこれらの光学装置を設置するための光学架台を設計検討を実施した。ダブルイメージリレー型の伝送光学系が最善の伝送方法であることを見いだし、これらの成果は学会発表を行い論文として公表した。
前年度に明らかになったレーザービーム伝送光学系の改良実験を実施しSPMP-THを用いた実験を行った。その結果ミラー損傷などの問題は解決され、17パルス以上のレーザー往復を確認した。さらにプラズマ実験に適応し、マルチパストムソン散乱光の観測に成功した。
また電子サイクロトロン波電流駆動を用いて能動的に電流駆動し電子内部輸送障壁に与える影響を調べた。その結果、駆動電流を増やすことにより閉じこめ改善領域を拡大することができ、そのとき特徴的な磁気島構造が電子温度密度分布上に形成されるという結果を得た。

Strategy for Future Research Activity

現在はDPMP-THの開発を進めている段階である。昨年度のレーザービーム伝送光学系はダブルイメージリレー型が最善であるという結果を得たので、そのための光学架台を設計しHeliotron J装置に設置する。二つ目のイメージリレーを設置するためには、Heliotron J装置に2300mm X800mmの大きさの架台を設置する必要があり、装置本体のスペースが十分でなく、さらに検討を重ねた結果架台を横置きにすることで解決することが可能であるという見通しを得ている。
架台設置完了後、昨年度購入したポケルスセルを設置することを予定している。このとき問題となるのは、Heliotron J装置は漏れ磁場が大きな装置であるので、ポケルスセルが磁場の影響下で正しく動作するかという問題がある。そこで磁場環境下での動作試験最初に実施することを計画している。基本的には磁性体がほとんど使用されていない装置なので問題は発生しないと予想しているが、正しく動作しない場合は磁気シールドなどを用いて対策する必要がある。
次に二番目のポケルスセルのためのビーム伝送光学系の設置を完了させ、最初に窒素ガスを用いてラマン散乱光により、性能試験を行い、設計通りレーザービームパルスを遅延させることができているか確認する計画である。
並行して電子サイクロトロン波電流駆動を用いた電子内部輸送障壁の形成実験を計画している。駆動電流を増やすことにより閉じこめ改善領域を拡大することが明らかになり、磁気島構造が電子温度分布に形成されていることを確認されたいるが、今年度は、異なる磁場配位や電子サイクロトロン波の入射角度を最適化する実験を計画している。最後に、DPMP-THを電子内部輸送障壁形成プラズマに適応し電子速度分布計測を行う。研究成果をまとめ、新しい閉じ込め改善手法を見いだし、高性能プラズマの生成を実現するという研究目標を達成する。

Causes of Carryover

COVID-19のためアメリカからの物品購入のための納期が予定より必要だったため次年度に購入するように変更した。また学会発表が現地開催からon-line開催に変更され旅費などの経費の支出が必要なくなったた。今年度も学会はon-lineになると予想されるため繰り越した経費はビーム伝送光学系の光学部品(アメリカからの購入)にあてる計画である

  • Research Products

    (7 results)

All 2020

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (5 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results)

  • [Journal Article] Current status and plan of development of Nd:YAG laser Thomson scattering system in Heliotron J2020

    • Author(s)
      T.Minamia, D.Qiub, T.Nishideb, M.Miyoshib, Y.Yamanakab, N.Kenmochic, R.Yasuharad, C.Takahashia, S.Kobayashia, H.Okadaa, S.Kadoa, S.Ohshimaa, T.Mizuuchia and K.Nagasaki
    • Journal Title

      Journal of Instrumentation

      Volume: 15 Pages: C02011

    • DOI

      10.1088/1748-0221/15/02/C02011

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Design of Compact Multi-Path Thomson Scattering Diagnostic with Signal Delay System in Heliotron J2020

    • Author(s)
      D.QIU, T.Minami, T.Nishide, M.Miyoshi, Y.Yamanaka, S.Kado, S.Ohshima, K.Nagasaki, H.Okada, S.Kobayashi, T.Mizuuchi, S.Konoshima, R.Yasuhara
    • Journal Title

      Plasma and Fusion Research

      Volume: 15 Pages: 2401044

    • DOI

      10.1585/pfr.15.2401044

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Development of Double Pockels Cells Multi-path Thomson Scattering System in Heliotron J based on Gauss Beam Analysis2020

    • Author(s)
      D.Qiu, T.Minami, Y.Yamanaka, M.Miyoshi, R.Shinotsuka, M.Luo, S.Kado, N.Kenmochi, S.Ohshima, S.Kobayashi, H.Okada, S.Konoshima, T.Mizuuchi, K.Nagasaki
    • Organizer
      AAPPS-DPP20202020 as e-conference 4th Asia-Pacific Conference on Plasma Physics
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Development of Multi-path Nd:YAG Laser Thomson Scattering System in Heliotron J2020

    • Author(s)
      Takashi Minami, Dechan Qiu, Masahiro Miyoshi, Yuta Yamanaka, Naoki Kenmochi, Ryo Yasuhara, Chihiro Takahashi, Shinji Kobayashi, Hiroyuki Okada1, Shnichiro Kado, Shinsuke Ohshima, Tohru Mizuuchi, and Kazunobu Nagasaki
    • Organizer
      Higt-Temperature Plasma Diagnostics Conference
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] Development of Double Pockels Cells Multi-path Thomson Scattering System in Heliotron J based on Gauss Beam Analysi2020

    • Author(s)
      D,Qiu, T,Minami, M,Miyoshi, Y,Yamanaka, S,Kado, N,Kenmochi, C,Takahashi, H,Okada, S,Ohshima, S,Kobayashi, S,Konoshima, T,Mizuuchi, M,Luo, K,Nagasaki
    • Organizer
      日本物理学会 2020秋季大会
  • [Presentation] ヘリオトロンJにおける異なる磁場配位でのECHプラズマの実効電子熱拡散係数の比較Ⅱ2020

    • Author(s)
      山中雄太、南貴司、大島慎介、Dechuan Qiu、三好正博、篠塚凌我、南雲竜也、釼持尚輝、門信一郎、岡田浩之、小林進二、木島滋、水内亨、長﨑百伸
    • Organizer
      第37回プラズマ・核融合学会 年会
  • [Presentation] ヘリオトロンJにおけるNd:YAGレーザトムソン散乱計測のためのイベントトリガシステムの開発2020

    • Author(s)
      三好正博、南貴司、釼持尚輝、Dechuan Qiu、山中雄太、篠塚凌我、南雲竜也、高橋千尋、岡田浩之、門信一郎、大島慎介、小林進二、木島滋、水内亨、長﨑百伸
    • Organizer
      第37回プラズマ・核融合学会 年会

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Published: 2021-12-27  

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