2019 Fiscal Year Research-status Report
非接触核融合プラズマモデリングを目指した周辺プラズマ・中性粒子輸送コード開発
Project/Area Number |
19K03802
|
Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
河村 学思 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 助教 (70509520)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 宏彦 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60609981)
大島 慎介 京都大学, エネルギー理工学研究所, 助教 (00469610)
澤田 圭司 信州大学, 学術研究院工学系, 教授 (40262688)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 磁場閉じ込め核融合 / プラズマ / 中性粒子 / 輸送モデリング / シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
EMC3-EIRENEコードによる複数の装置の周辺プラズマ輸送モデリング研究を進めることで、非接触プラズマ研究に必要な研究基盤の構築を進めた。LHD(核融合科学研究所)に関しては、ボロメータによるプラズマからの放射光強度の情報とモデル計算に必要となる入力パラメータの推定に関して、定量性と信頼性を向上させる進展があり、国際会議で発表した。また、様々な放電条件(加熱パワー・電子密度・不純物)に対して系統的な多数の組み合わせで計算を行い、データベース構築を行った。また、同装置を対象に、EMC3-EIRENEで得られたプラズマ分布を信州大学で開発されている中性融資輸送コードへ提供して中性粒子分布の計算を行い、水素分子の振動回転励起に関する解析を交際会議で発表し、論文が掲載された。それと関連し、信州大学のRFプラズマを対象に、分光計測と中性輸送計算結果の比較によるモデルバリデーションを進めた。Heliotron J装置(京都大学)に関しては、熱負荷分布の磁場配位および電子密度に対する依存性解析を行い、熱負荷分布が広域化する条件を解析し、国際会議で発表するとともに、論文執筆を進めている。実験との比較を目指し、同装置に設置された静電プローブによるフラックス計測を実施し、またイメージングボロメータ設位置の検討に本研究成果が活用された。JT-60 SA装置(量子科学技術研究開発機構)に関しては、摂動磁場印加によるダイバータ熱負荷分布のスプリット現象の解析を行い、分布変化を国際会議で発表し、論文が掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は非接触プラズマ研究に必要な基盤構築を進める期間に位置づけており、複数の装置の周辺プラズマモデリング研究を中心に行った。当初に初年度に予定していた体積再結合過程を組み込んだEMC3-EIRENEコードのWisconsin大学からの導入に遅れが生じ、コードの提供は受けたものの計算は未着手である。しかし、必要な情報を随時入手できる共同研究関係を築くことができ、次年度に計算を実施する準備は整った。また、本研究計画後半で重要になると考えられる中性粒子輸送コードとEMC3-EIRENEの連携は順調に進んでいる。研究資源に関する準備としては、再結合プラズマのモデリングを計画している直線装置NAGDIS-II(名古屋大学)において、放電用電源の整備(他研究予算)が進み、これまで中心であったヘリウムに加えて水素による非接触放電の見通しが得られ、水素専用に開発されているEMC3-EIRENEコードとの直接比較が可能となった。また、計算機クラスタ(前年度に他予算で導入)の整備を進め、研究分担者を含めて本研究課題で必要となる計算資源の確保ができた。以上から、項目ごとに進捗具合は異なるが、全体としては順調に進んだと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
初年度に進めた複数装置のモデリング研究を継続するのに加えて、本年度開始した直線装置GAMMA 10/PDX(筑波大学)の共同研究も本研究課題と関連づけて進める。体積再結合過程を取り入れたEMC3-EIRENEによるプラズマ・中性粒子の輸送計算をNAGDIS-IIで行うことを2年目の中心課題と設定する。想定通りの計算が行えているかの数値的な検証を行い、プラズマ分布を変えたときに、どの程度の体積再結合が生じ、またプラズマ分布へどのような影響が生じるかを検討する。また、中性粒子の供給・排気など、中性粒子分布に直接影響する装置由来の条件が大きくプラズマに影響を与えることが予想されるため、再結合の検討と平行して、直線装置に特徴的な放電条件の理解を進める。必要であれば、以前に行った際に用いた計算領域やプラズマ源に相当する条件を変更し、より実際の装置に近い状況を得るためのモデリング研究も実施する。そして、最終年には他の装置において再結合過程の反応速度評価やプラズマへの影響の解析を目指す。また、2・3年目をめどに、EMC3-EIRENEと信州大学の中性粒子輸送コードの双方向の結合を進め、再結合プラズマにおける中性粒子の反応・輸送過程の新しい研究を最終年に可能とすることを目指す。
|
Causes of Carryover |
本経費からアメリカへの国際会議出張旅費を支出予定であったが、参加を取りやめたために次年度使用額が生じた。翌年度は、Plasma Surface Interaction国際会議での成果発表を研究代表者および研究分担者が予定しているのに加え、数値計算用計算機の追加に使用する計画である。また、状況に応じてWisconsin大学の共同研究者の訪問あるいは招聘を検討する。
|
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] EMC3-EIRENE Modeling of the peripheral plasmas with various magnetic configurations in Heliotron J2019
Author(s)
Ryota MATOIKE, Gakushi KAWAMURA, Shinsuke OHSHIMA, Yasuhiro SUZUKI, Masahiro KOBAYASHI, Suguru MASUZAKI, Shinji KOBAYASHI, Shinichiro KADO, Takashi MINAMI, Hiroyuki OKADA, Toru MIZUUCHI, Shigeru KONOSHIMA, Hirohiko TANAKA, Hiroto MATSUURA, Kiyofumi MUKAI, Yuhe, FENG, Heinke FRERICHS, Kazunobu NAGASAKI
Organizer
17th International Workshop on Plasma Edge Theory in Fusion Devices
Int'l Joint Research
-
[Presentation] EMC3-EIRENE Modeling of the Peripheral Plasmas with Various Magnetic Configurations in Heliotron J2019
Author(s)
Ryota MATOIKE, Gakushi KAWAMURA, Shinsuke OHSHIMA, Yasuhiro SUZUKI, Masahiro KOBAYASHI, Suguru MASUZAKI, Shinji KOBAYASHI, Shinichiro KADO, Takashi MINAMI, Hiroyuki OKADA, Toru MIZUUCHI, Shigeru KONOSHIMA, Hirohiko TANAKA, Hiroto MATSUURA, Kiyofumi MUKAI, Yuhe, FENG, Heinke FRERICHS, Kazunobu NAGASAKI
Organizer
22nd International Stellarator and Heliotron Workshop 2019
Int'l Joint Research
-
-
-
-
-