2019 Fiscal Year Research-status Report
Clinical application of non thermal atmospheric pressure plasma in bone regeneration
Project/Area Number |
19K03811
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
洲鎌 亮 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (00779457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊田 宏光 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50514238)
折田 久美 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 博士研究員 (40748597)
白藤 立 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (10235757)
呉 準席 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (90533779)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低温大気圧プラズマ / 骨欠損 / 骨再生 / 人工骨 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々が注目したのは骨折治療や骨再生医療における低温大気圧プラズマ技術の活用である。従来、プラズマを発生させるためには真空環境もしくは超高温環境が必要であったが、近年の理論/技術の革新により大気圧、室温環境下、さらには溶液中での発生が可能となり、幅広い分野での応用されるようになった。骨折や骨欠損に対する手術治療において、病変部や骨補填材料にプラズマ照射を行うことで、骨従来の多孔構造を損なうことなく生物学的特性を改質させ、骨癒合期間の短縮や骨再生能の促進が実現可能な医療機器および処理方法の研究を行った。 骨折部や骨欠損部に低温大気圧プラズマを直接照射することによって、骨癒合期間を短縮させることが可能なのか、短縮されるとすれば最適なプロトコールや照射設定はどのようになるのか、骨補填材料を用いた骨再生にどのような変化をもたらすのか等に関する基礎実験を行った。ニュージーランド白色家兎を全身麻酔下に使用し、尺骨骨幹部に1cmの骨欠損を作製した。骨欠損部への低温大気圧プラズマの照射の有無によって照射群と非照射群を作製し骨癒合について評価を行った。術後8週で屠殺し、μCTを撮影した。μCTのデータから解析ソフトを用いて新生骨の体積を測定し、プラズマ照射群と非照射群の新生骨量を比較した。統計学的に有意にプラズマ照射群の新生骨量が多かった事を示せている。また、プラズマ照射時間を5分、10分、15分と変えて新生骨量を比較したところ、10分照射した群が最も新生骨量が多かった。このことから、骨欠損部にプラズマ照射を行う事で骨癒合促進効果が得られること、至適照射時間が10分であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当施設では以前よりラット、ウサギ、犬を用いた骨欠損・自家骨/人工骨移植モデルを作製し、成果を国際論文誌に報告してきている(Yoneda M et al: Biomaterials. 2005、Namikawa T et al: Spine 2005、Yano K et al: J Orthop Sci. 2012等)。また、プラズマを専門とする大阪市立大学工学研究科の白藤、呉らと医工連携し、均一に人工骨及び自家骨に照射可能な低温大気プラズマ装置、並びに骨欠損部位に照射可能なハンディタイプの低温大気圧プラズマ装置を開発しており、本装置を用いることで、骨欠損部への安定的な照射、至適照射条件の探索が可能となっている事が順調な進歩に関連すると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、骨欠損部へのプラズマ照射による骨癒合促進効果を示すことができた。今後は人工骨や自家骨にプラズマ照射することでより大きな骨欠損部の修復硬化を評価する予定としている。ニュージーランド白色家兎を全身麻酔下にて使用し、尺骨骨幹部に2cmの骨欠損を作製後、補填する人工骨材料としてβ-TCPを使用する。β-TCPに対する低温大気圧プラズマの照射の有無によって照射群と非照射群を作製する。手術後4週、8週、12週、24週で骨癒合について評価を行う。骨癒合の評価は経時的には単純X線像と、脱灰標本及び非脱灰標本における組織学的評価を実施する。X線を用いる事によりβ-TCP周囲の骨形成の評価や骨との親和性を確認する。μCTによる評価は屠殺時に行う。組織学的には大腿骨とβ- TCPとの境界を中心に評価を行う。H-E染色、トルイジンブルー染色、TRAP染色などを行い、破骨細胞および骨芽細胞の浸潤評価を画像解析ソフトにて行う予定である。X線を用いる事によりβ-TCP周囲の骨形成の評価や骨との親和性を確認する。μCTによる評価は屠殺時に行う。組織学的には大腿骨とβ-TCPとの境界を中心に評価を行う。H-E染色、トルイジンブルー染色、TRAP染色などを行い、破骨細胞および骨芽細胞の浸潤評価を画像解析ソフトにて行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に、人工骨や骨移植モデルを用いた実験ならびに、プラズマ照射による物性の変化を質量分析装置などを用いて解析を行う予定であるため、未使用額が生じている。関連学会での発表も今後行う予定である。
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