2020 Fiscal Year Research-status Report
Snow lines at the origin of multiple dust rings in protoplanetary disks
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19K03926
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
奥住 聡 東京工業大学, 理学院, 准教授 (60704533)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 惑星形成 / 原始惑星系円盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
惑星形成に対して最も大きな影響を与える水(H2O)雪線前後におけるダスト進化について検討を行った。H2O雪線の内側では氷を含んだダストの解体と岩石ダストの堆積が起こる一方、外側では水蒸気の再凝縮による氷ダストの成長が起こる。これらの効果はそれぞれ、岩石質微惑星および氷を含む微惑星の形成を引き起こす可能性がすでに指摘されている、本研究では、H2O氷の昇華・凝縮などの一連の効果を取り入れたダスト進化モデルを用いて、どのような条件のもとで岩石微惑星の形成と氷微惑星の形成がそれぞれ起こるかを体系的に明らかにした。本研究の成果を論文2編が国際学術誌に掲載された。
また、原始惑星形成円盤の将来の電波観測から雪線付近でのダスト進化の理論をいかにして検証すればよいかも検討した。次世代のミリ波・センチ波大型電波干渉計ngVLAでは、H2O雪線の解像に十分な解像度が達成されると期待されている。本研究では、この次世代電波望遠鏡を用いて、H2O雪線前後でのダストの堆積や、H2O雪線の位置を決める円盤温度構造を観測的に捉えるための具体的な方法論を考案し、観測シミュレーションによってその実現可能性を実証した。本研究の成果は複数の国内学会で発表済みであり、国際誌への論文投稿を準備中である。本研究は国内の電波天文学コミュニティにおけるngVLAのサイエンス検討の一環として行ったものであり、サイエンス検討の結果をまとめた電子記事ngVLA-J memo seriesに本研究の結果の一部が収録されている。
加えて、昇華点付近における氷の結晶化実験に関する共同研究(本研究は氷の結晶化が雪線前後におけるダスト進化に与える影響の検討を担当)や、隕石の組成と雪線の理論モデルを組み合わせて隕石母天体の形成位置を推定する試みなど、当初計画を発展・補完させるような新しい共同研究も進展し、関連論文の投稿・掲載決定に至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上で述べた通り、今年度は雪線前後の惑星形成過程の解明および観測可能性の検証の両面において研究が進展した。また、本研究を発展させるような新しい共同研究も進展し、論文化に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度から継続して行ってきた、雪線におけるダストリング形成と温度構造進化を同時に計算するモデルの構築については、計算手法の慎重なテストが終了し、雪線がダスト進化に伴い周期的に移動する現象を発見した。この現象はこれまで知られていなかったものであり、雪線前後でのダスト進化・惑星形成の従来理解に対して大きく修正を迫る可能性がある。最終年度は、この新現象のより深い理解を慎重に進めながら、雪線におけるダストリング形成・惑星形成の描像の完成に全力を挙げる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の流行のため複数の国際会議参加がキャンセルとなったため次年度使用額が生じた。翌年度に海外の国際会議への参加が可能になればその参加費として使用するが、これが見込めない場合は研究加速のためのRAを雇用することなどを検討する。
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Research Products
(34 results)
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[Journal Article] Ring Formation by Coagulation of Dust Aggregates in the Early Phase of Disk Evolution around a Protostar2021
Author(s)
Ohashi, S., Kobayashi, H., Nakatani, R., Okuzumi, S., Tanaka, H., Murakawa, K., Zhang, Y., Liu, H. B., & Sakai, N.
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Journal Title
The Astrophysical Journal
Volume: 907
Pages: article id.80
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] ALMA 多波長画像解析で探る TW Hya の原始惑星系円盤のスペクトル指数分布2021
Author(s)
塚越崇, 野村英子, 川邊良平, 高橋実道, 武藤恭之, 金川和弘, 田村元秀, 奥住聡, 井田茂,Catherine Walsh,Tom Millar, 橋本淳, 鵜山太智
Organizer
日本天文学会2021年春季年会
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[Presentation] 高分解能多波長画像解析によるTWHyaの原始惑星系円盤のスペクトルインデックス動径分布の調査2020
Author(s)
塚越崇, 武藤恭之, 野村英子, 川邊良平, 金川和弘, 奥住聡, 井田茂, 高橋実道, 橋本淳, 鵜山太智, 田村元秀, Catherine Walsh, Tom J. Millar
Organizer
日本惑星科学会2020年秋季講演会
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[Presentation] 高分解能多波長画像解析を用いたTWHyaの原始惑星系円盤のスペクトルインデックス分布の調査2020
Author(s)
塚越崇, 武藤恭之, 野村英子, 川邊良平, 金川和弘, 奥住聡, 井田茂, Walsh Catherine, Millar Tom, 高橋実道, 橋本淳, 鵜山大智, 田村元秀
Organizer
JpGU-AGU Joint Meeting 2020
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