2021 Fiscal Year Annual Research Report
マルチクロックトレーサーを用いた成層圏大気年齢の観測
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19K03963
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
菅原 敏 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (80282151)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 真司 東北大学, 理学研究科, 教授 (30270424)
石戸谷 重之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エネルギー・環境領域, 研究グループ長 (70374907)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 成層圏大気年代 / 重力分離 / ACTM |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に実施した成層圏大気採取実験によって得られた大気サンプルを使用して、昨年度までに未分析だったハロカーボンの分析を実施した。国立環境研究所の分析システムを用いて、CFCs、HCFCs、HFCs、PFCsの合計15種類の成分について、それぞれの成層圏における鉛直プロファイルを明らかにした。この中で、長寿命の成分のみを用いて平均年代の推定を行い、既存のCO2-age、SF6-ageと比較した。その結果、ハロカーボンによる平均年代は高度25km以下においてはCO2-age、SF6-ageとよく一致した。一方、高度25km以上ではCO2-ageとよく一致したものの、SF6-ageはそれらよりも過大評価であった。SF6による平均年代推定は、より上層の中間圏における消滅の影響を受けていることが示唆されていることを考慮すると、ハロカーボンがマルチクロックトレーサーとして極めて有効であることが明らかになった。インドネシアのビアクで行われたクライオジェニックサンプリング実験による大気サンプルから推定された平均大気年齢の成層圏高度分布について、ACTMを用いたBIER法とラグランジュ後方流跡線解析の二つの方法を適用して検証した。2つの方法による年齢をCO2 ageと比較すると、ラグランジュ法の結果が比較的良い再現性を示した。ラグランジュ法の年齢はやや小さくなるバイアスが見られたが、このことは流跡線計算を一定の有限時間で停止させているためであると考えられる。一方、BIER法の年齢は、高度25km以上においてCO2 ageよりも大きくなっており、モデルの拡散の効果が大きい可能性が示唆された。これらのモデルの結果は、観測された大気サンプルがSF6消失の影響を受けた中間圏大気との混合の影響を受けているために平均年齢が過大評価になっているという仮説を裏付けている。この結果は論文として発表された。
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[Presentation] クライオサンプリングによる成層圏大気の長期観測と今後の展開2021
Author(s)
菅原 敏, 青木 周司, 森本 真司, 本田 秀之, 中澤 高清, 豊田 栄, 石戸谷 重之, 後藤 大輔, 梅澤 拓, 長谷部 文雄, 石島 健太郎, 飯嶋 一征, 吉田 哲也, 福家 英之
Organizer
大気球シンポジウム
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[Presentation] 成層圏大気重力分離と空気年齢の新たな応用 ~海洋貯熱量変動評価における重要性~2021
Author(s)
石戸谷 重之, 菅原 敏, 青木 周司, 森本 真司, 本田 秀之, 豊田 栄, 遠嶋 康徳, 後藤 大輔, 石島 健太郎, 長谷部 文雄, 丹羽 洋介, 青木 伸行, 村山 昌平, 飯嶋 一征, 吉田 哲也
Organizer
大気球シンポジウム
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[Presentation] Preparation of O2/N2 dataset from the surface to the middle stratosphere around Japan traceable to NMIJ gravimetric scale2021
Author(s)
Shigeyuki Ishidoya, Shinji Morimoto, Kazuhiro Tsuboi, Satoshi Sugawara, Daisuke Goto, Nobuyuki Aoki, Shohei Murayama, Yosuke Niwa, Shuji Aoki, Hidekazu Matsueda, Kentaro Ishijima
Organizer
日本地球惑星科学連合