2020 Fiscal Year Research-status Report
薄肉円筒工作物切削加工時に生じる工作物変形型びびり振動の発生メカニズムと抑制対策
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19K04283
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| Research Institution | Osaka Sangyo University |
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Principal Investigator |
栗田 裕 大阪産業大学, 工学部, 教授 (70275171)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大浦 靖典 滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (60512770)
田中 昂 滋賀県立大学, 工学部, 講師 (60759273)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | びびり振動 / 固有振動 / 連成振動系 / 安定判別 / 自励振動 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
薄肉円筒工作物を切削加工するときに，工作物の円形断面が変形するびびり振動が発生する。本研究では，「どのような仕組みでびびり振動が発生するのか」「びびり振動の発生に，工作物，工具，切削条件は，どのような影響を与えるのか」「どのような対策をとれば，びびり振動の発生を抑制できるのか」を明らかにする。
2019年度には，「どのような仕組みでびびり振動が発生するのか」びびり振動の発生メカニズムを，実験および理論の面から検討した。その結果，薄肉円筒工作物の切削加工時（工具接触時）には，工作物の固有振動が，節直径数が同じで位置が異なる2つの固有振動（工具接触点を原点とするSineモードとCosineモード）に分岐することがわかった。分岐した2つの固有振動の間で連成が生じ，びびり振動が発生することが確認できた。また，最も低い周波数をもつ固有振動が自励振動の発生に寄与していることがわかった。
2020年度には，「びびり振動の発生に，工作物，工具，切削条件は，どのような影響を与えるのか」について，実験，理論および有限要素法による数値解析の面から検討した。工具接触により固有振動数は2つに分岐する。非切削時で工具を接触させただけのときに分岐した固有振動数と，有限要素法で1点支持の条件で算出した固有振動の値とは一致した。一方，実際に切削しているときに発生する自励振動の周波数は，非切削時で単に工具を接触させただけのときに分岐した固有振動数間の中央値とは多少ずれており，工作物単体の固有振動数の値に近かった。このことは，非切削時の工具と工作物間の接触が固い接触になっており，実際に切削している時の接触は，非切削時の接触よりも弱いことを示している。そこで，有限要素法において，工具接触状態を1点支持ではなくて，弱いばね支持でモデル化する必要があることがわかった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同じ工具接触状態でも，非切削時と切削時とでは接触ばねの大きさが異なることは，想定の範囲である。非切削時における接触ばねの大きさは大きく，切削時には接触ばねが小さくなるのは納得がいく傾向である。切削時の接触ばねを正確に把握することで，びびり振動の発生傾向を精度よく把握する。
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| Strategy for Future Research Activity |
工具接触を1点剛支持でモデル化するのを第1近似，1点ばね支持（ばね定数は実験から求める）でモデル化するのを第2近似とする。実際に切削加工しびびり振動の発生を計測できる場合には，より正確な第2近似の状態を目指す。実験する薄肉円筒工作物は，直径187mm，軸長200mm，肉厚3mm～20mmのものとする。実験結果から工具接触点のばね定数を求め，そのばね定数を用いて，工作物固有振動の静的ゲイン，および工具接触時に分離する固有振動数の差を，数値計算で求める手法を確立する。
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| Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由：実験に用いる治具等の物品費を，他の予算で支出した。
使用計画：実験に用いる治具等の物品費を，本予算で支出する。
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