2019 Fiscal Year Research-status Report
A code-division multiplexed data relay system and its application to underwater wireless data transmission using visible light
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19K04403
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Research Institution | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター) |
Principal Investigator |
松嶋 智子 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 教授 (30648902)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 真一郎 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (40648937)
大村 光徳 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基盤整備センター), 能力開発院, 准教授 (40725719)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 中継伝送 / 可視光通信 / 符号分割多元接続 / 拡張プライム系列符号 / 海中無線通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では,海中での高速かつ長距離の無線通信を実現する可視光無線中継伝送方式に関する研究を行う.光符号分割多元接続技術を用いて,他の中継ノードからの干渉と太陽光等の背景光雑音を同時に抑制する中継伝送方式を提案するとともに,提案方式の特性評価と実験系の構築を目指す. 1年目の2019年度は,光無線中継伝送方式や海中無線通信に関する従来研究を調査した.そして,拡張プライム系列符号(Modified Prime Sequence Code: MPSC)または一般化拡張プライム系列符号(Generalized MPSC: GMPSC)を拡散符号とする光符号分割多元接続(Code-Division Multiple Access: CDMA)方式が海中での可視光無線中継に適していると考え,この方式が他ノードからの干渉信号と背景光雑音を同時に除去する条件を理論的に明らかにした.具体的には,MPSCまたはGMPSCを用いる光CDMAにおける代表的な三つの干渉除去方式について,復号器が干渉と背景光を同時に除去する条件と仕組みを理論的に解明した.また,それぞれの干渉除去方式について,背景光が存在する場合の復号ビット誤り率を計算機シミュレーションにより評価した.さらに,この光CDMA方式の伝送速度を高める二種の手法(レベル分割多重を利用する手法,拡張陪直交符号を利用する手法)を提案した. 関連する研究成果は,「多重ユーザ干渉と背景光を同時に除去する同期光CDMA システムに関する研究」,「Complex Orthogonal Variable Spreading Factor Codes Based on Polyphase Sequences」を含む計4件の論文として電子情報通信学会論文誌(査読有)へ投稿し(うち2件は既に採録決定済),国内研究会で10件の口頭発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度には,従来研究の調査,海中向け可視光無線中継伝送に適した光符号分割多元接続方式の提案,提案方式の基本特性の評価,および実験系の概略設計を行う計画であった.実際には,従来研究の調査,光符号分割多元接続方式の提案,および提案方式の基本特性の評価を行った.さらに,当初の研究計画には含まれていないが,光符号分割多元接続方式の伝送速度を高める二種の手法(レベル分割多重を利用する手法,拡張陪直交符号を利用する手法)を提案し,基本的特性の評価を行った.一方,提案方式の実験系の概略設計については,スケジュールが遅れ,完了することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,2019年に提案した海中無線中継伝送向けの可視光符号分割多元接続方式およびその高速化手法について,より詳細な理論解析と性能評価を行う.まず,提案方式の復号ビット誤り率等の性能を各種条件下で解析的手法および計算機シミュレーションにより評価し,他の方式との比較を行う.さらに,実機で提案方式の有効性を確認するため,LEDを光源とする可視光符号分割多元接続方式の実験系の設計と開発を行う.ディジタル処理部はFPGAで実装し,伝送信号の観測が容易なシステムとする計画である.この実験系を用いた陸上での伝送実験を通して,海中での中継伝送の課題を考察する.研究成果は学会発表や論文投稿等により積極的に公開する予定である.
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Causes of Carryover |
2019年度には,可視光中継伝送に用いる光符号分割多元接続方式に関する調査,理論検討,計算機による基本特性評価の他に,実験系の概略設計を行う予定であった.実験系の概略設計以外は,想定した研究成果だけでなく,計画外の発展的な研究成果を得ることができた.その結果,学会発表のための旅費は計画より多く支出することとなった.一方,実験系の概略設計は計画よりスケジュールが遅れた.この結果,本年度中に整備する予定であった回路設計のための開発環境,電子部品,電子回路基板等の購入のための物品費を次年度に繰り越すこととした.
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Research Products
(12 results)