2021 Fiscal Year Research-status Report
モデルベース制御における可変次数系のスペースタイム離散化手法の開発
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19K04451
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
堀 憲之 小山工業高等専門学校, その他部局等, 校長 (70312824)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 離散時間化 / 離散空間化 / 離散時間空間化 / 次数変化 / 非整数階微分の離散化 |
Outline of Annual Research Achievements |
主な研究活動として以下の3項目を取り上げた。 1.閉ループ系における代入離散時間モデルの精度について:一般に知られている数種類の代入離散時間モデルのなかで、タスチン法と呼ばれるモデルは開ループ系においては数値解析により精度が一番良いと言われている。我々はあるパラメータを導入することで無数の代入離散時間モデルを統一的に考案できることを示している。タスチン法はこのパラメータが1/2の場合に相当するが、閉ループ系においては離散時間化されるシステムの次数やバンド幅によって、1/2以外の時に誤差が最小になることをシミュレーションにより発見し、このパラメータの選択を助けるガイドラインも示した。これらの結果はIEEEのGCCE2021会議において発表した。 2.無限次数の有限次数化の観察:一般に現実の制御対象は無限次元であるが、有限次元モデルとして近似することで、その扱いを簡単化している。電源回路のディジタル制御実験でモデル化しない高周波モードの影響をすでに考察している。この知見をステッピングモータの適応制御に適用する試みとして、無視したモードが速度むらに与える影響に注目することを考えた。 3.その他:以下の成果を英語論文として投稿する準備を行う。3-1。波動偏微分方程式の厳密離散時間空間化(先ごろ開発した拡散偏微分方程式の厳密離散時間空間化手法を拡張したもの)。3-2.ラウス安定法(RSA法)による特性多項式の次数増減、特に次数増加、の影響を考慮できる手法。3-3非整数階微分の精度良い計算法が存在していなかったが、行列の逐次計算で精度を向上できる方法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究の推進のために研究代表者の前任地における教員や大学院生と協力していたが、コロナ禍において対面での議論などのやり取りに手間取った。オンライン主体とすることで次第にペースは戻せたが、内容的には年間を通して予定していた計画よりも遅れた。このため、研究成果を発表できる論文の形にまとめる作業を期間内に終了することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究自体は概ね終了している。今後は共同で研究を行っている前任地の大学教員とメールのやり取りを中心として連携し、国際雑誌論文を一件、国際会議論文を二件程度投稿できるように取りまとめと執筆作業を進める予定である。また、執筆過程においても研究に進展がみられる場合には更に会議論文として、できるだけ早い機会に発表したいと考えている。
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Causes of Carryover |
理由:主にコロナ禍における人の移動の制約にともなう共同研究活動の遅れ。 使用計画:研究代表者の前任地の大学との研究協力のための謝金。1つの雑誌論文の投稿費用と複数の会議(ウェブまたはリアル会議)論文の発表費用を予定。
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