2021 Fiscal Year Research-status Report
Fractional Order System and Control: Application to Modeling and Control of Electrochemical System
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19K04459
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| Research Institution | Tokyo Denki University |
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Principal Investigator |
畠山 省四朗 東京電機大学, 未来科学部, 研究員 (40138954)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 淳 東京電機大学, 工学部, 准教授 (20609284)
岩瀬 将美 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (50339074)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | 分数階システム / 二次電池 / 劣化診断 / 電気化学系 / システム同定 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度では，2020年度研究費で整備した実験環境において，動作温度を調整する独自の恒温槽下で，Li-ion電池の劣化加速試験を実施した．温度と劣化度（サイクル数）を条件として，各条件における周波数応答Cole-Cole plotを導出した．各条件で得られた周波数応答に対して，これまでに導出した分数階微分モデルのシステム同定を行い，温度と劣化の条件下において同定されたパラメータ変化を分析した．分析結果から，温度に対する感度が低く，劣化に関して感度が高いパラメータを見出すことができた．従来法では，温度変化が劣化診断に与えてしまう問題があったが，本研究成果によって見いだされたパラメータを用いれば，温度変化が生じても感度が低いため，劣化度に関するSN比を向上させることが期待できる．
一方，分数階システムに関する理論的展開や数値シミュレーションによる分析結果が実験結果と乖離しており，その妥当性が確認できていない．Caputoの定義に基づく分数階システム表現において，外生入力uが存在する場合に Mittag-Leffler関数を含む畳み込み積分の計算が必要となるが，この計算が適切にできていないようである．そのため，研究期間を1年延長し，この課題について取り組む予定である．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度では，Li-ion電池を対象として温度と劣化度を組み合わせたいくつかの条件下において，システム同定した結果から，温度に対する感度が低く，劣化に関して感度が高いパラメータを見出すことができた．この成果は，温度変化が生じても感度が低いため，劣化度に関するSN比を向上させることが期待できる．
しかし，分数階システムに関する理論的展開や数値シミュレーションによる分析結果が実験結果と乖離しており，理論的な考察や数値シミュレーション技法の妥当性が確認できていない．Caputoの定義に基づく分数階システム表現において，外生入力uが存在する場合に Mittag-Leffler関数を含む畳み込み積分の計算が必要となるが，この計算が適切にできていないようである．
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| Strategy for Future Research Activity |
実験結果が先に得られたので，その実験結果と整合性が取れる理論を整備しなければならない．現在までの分析できは，Caputoの定義に基づく分数階システム表現において，外生入力uが存在する場合に Mittag-Leffler関数を含む畳み込み積分の計算が必要となるが，この計算が適切にできていないようであるというところまで，検討が進んでいる．そこで1年研究期間を延長し，2022年度の研究目標として，実験結果との整合性が取れる分数階システムのモデル，時間応答計算法の確立に注力する．現在は，解析解が分かっているシンプルな分数階システムを対象として，その解析解と，シミュレーションによる数値解とを比較し，その差異について分析を進めている．この結果を一般化することで，モデルと時間応答計算法などの理論的な課題に取り組む．
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| Causes of Carryover |
当初計画では，理論的な研究進展があった後に，実験による検証を進める予定であったが，2021年度に実験結果が先に得られたものと，理論的な結果やシミュレーションとの整合が取れず，学会等で報告するに至らなかったため，学会発表や論文投稿に関わる費用分が執行できず，次年度に繰り越すことになった．
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