2019 Fiscal Year Research-status Report
実施工に寄与するポーラスコンクリートの実践的品質管理技術の提案
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19K04710
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
畑中 重光 三重大学, 工学研究科, 特任教授(研究担当) (00183088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 英輔 広島工業大学, 工学部, 准教授 (40583539)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ポーラスコンクリート / 透水性コンクリート / 運搬 / 振動締固め / 品質管理 / 超音波速度法 / 空隙率 / 低速攪拌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポーラスコンクリート(以下、POC)は、内部に連続空隙を有し、透水性、植栽性など、多様な性能を期待できる新しい社会基盤材料である。本申請は、研究代表者らのこれまでの長期にわたる研究の延長線上にある。すなわち、住環境の改善、都市型水害の軽減などへのPOCの応用を、実践的でより信頼性のある段階へステップアップさせようとするものである。本研究では、POCを製造した後の現場対応工程(運搬、締固め、など)における品質変化について、そのメカニズムを明確に把握し、品質確保のための新たな技術・方策を提示する。 研究初年度は、以下の2シリーズの実験的検討を行った。 実験1では、35℃程度の暑中条件下におけるPOCの運搬と品質確保を目的とし、各種混和剤の効果を調べた。ここでは、実際の運搬状況を実験室で模擬するため、小型ミキサにインバータを取り付けて低速回転を実現(アジテータ車の運搬を模擬)させた。その結果、高性能AE減水剤(遅延形)をセメント質量の0.4%程度使用することで、低速攪拌時間が90分以上になっても十分なワーカビリティーが確保できることが実証された。この結果を踏まえ、実機のアジテーター車での練混ぜと振動締固め機を使用した実大施工を実施した。 実験2では、現場打設されたPOCの空隙率を推定することを目的とし、既に行った「対面法」による基礎的検討を踏まえ、ここでは、現場構造体への適用性が高い「表面法」への応用について検討した。その結果、発・受信子とPOCの接触媒質には、実用上グリスよりもシリコンシートが適していること、適切な押し付け力が存在すること、などが明らかとなった。また今後、超音波の伝播経路推定について検討するため、対面法で適用した最短経路シミュレーション探索法の応用について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、平成31年度は以下の実験を実施することとした。 a) 運搬時の品質変動に関する実験1 b) 締固め時の品質変動に関する実験2 c) 超音波法による空隙率の推定手法に関する実験3 これらのうち、b)の実験2については実験1に含めることとし、実験1および実験3に重点を置いて検討を行った。その結果、実験1の研究成果をより充実させることができ、現実的な提案に結び付けることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度の実験は順調に進めることができた。今後は当初の計画通り、非破壊試験法によるPOCの空隙率推定手法の検討を進めるため、各種POCについて、「打音法」による弾性波の周波数スペクトル(FFT)分析結果を比較・分析し、本年度検討した超音波速度法との長短を比較検討するなど、POCの空隙率推定手法への適用性を精査する。
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Causes of Carryover |
実験・解析に要する謝金を見積もっていたが、すべての実験を修士研究および卒業研究として取り組むことができ、本年度はこの予算が縮小できた。そのため、次年度に行う解析をより充実させるための人件費・謝金に使用する。
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Research Products
(10 results)