2020 Fiscal Year Research-status Report
多様な公共性を担保するパブリックスペース・マネジメント手法構築
Project/Area Number |
19K04763
|
Research Institution | Nishinippon Institute of Technology |
Principal Investigator |
長 聡子 西日本工業大学, デザイン学部, 准教授 (70523653)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉武 哲信 九州工業大学, 大学院工学研究院, 教授 (70210672)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 公共空間 / マネジメント / 公園 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、公共空間利用に求められる価値観「公共性」の概念を整理し、多面的観点からそれを評価する方法を提案することを目的としている。前年度においては、公共空間における官民連携事業であるPark-PFIを対象に、公共空間・サービスを提供する側(行政)の視点から、募集要項や事業者審査の配点表での「公共性」への配慮や事業に求める事柄の特徴を分析した。 当該年度は、上記前年度の分析を充実させるため、対象事業数を全国44件に増やし、募集要項および配点表のテキスト分析を実施した。その結果、前年度と同様の結果に加え、公園の立地や特性(DID内外、公園面積等)に拘らず、おおよそ一律の基準で事業者を募集、審査している傾向にあることが分かってきた。 なお、当初の計画では、当該年度に特徴の見られた事例の現地調査や関係者へのヒアリング調査を実施する予定にしていたものの、新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、これらの調査を翌年度に延期することとした。 また一方で、新型コロナウイルス感染対策の緊急措置として国土交通省が実施した沿道飲食店等の路上利用に伴う道路占用許可の運用条件の一つに、地元の協議会等関係団体による一括マネジメントが挙げられていたため、当該研究課題と重なるところがあると判断し、福岡市等を対象に運用実態や運用主体(民間に限る)について調査を開始した。次年度においても、エリア単位でのパブリックスペース・マネジメント手法の一事例と位置づけ、調査を継続し、当該研究課題の成果の一部とすることと考えている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、当該年度に特徴の見られた事例の現地調査や関係者へのヒアリング調査を実施する予定にしていたものの、新型コロナウイルス蔓延の影響を受け、これらの調査を翌年度に延期することとしたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度は、「公共性」の評価を多面的かつ統一的方法で実施できる評価指標の検討を進め、公共性の評価方法の確立を目指す。当評価指標を用いて、国内の複数の公園の評価を試行し、現行評価方法や募集要項の課題や解決策を検討する。なお、新型コロナウィルスの感染拡大防止対策の今後の状況に即して、現地調査やヒアリング調査等も進める予定である。
|
Causes of Carryover |
当初予定していた現地調査や関係者へのヒアリング調査が、新型コロナウイルス蔓延や感染対策の影響で実施することが困難であったことや、学会発表も紙面のみでの公表となったため、旅費等の支出がほとんど無くなってしまい、次年度使用額が生じた。次年度は、新型コロナウイルス感染対策の状況を適切に判断しながら、当該年度に出来なかった現地調査や関係者へのヒアリング調査を遂行する予定である。なお、当初予定していた海外現地調査は新型コロナウイルスの影響で見通しが立たないため、国内調査の充実や国内での学会発表への参加を増やすことで代替したいと考えている。
|