2023 Fiscal Year Annual Research Report
Planning methodology for depopulating cities - Alignment of policy in zoning, land banking and vacant property management
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19K04790
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
黒瀬 武史 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (50598597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 徹 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00619934)
矢吹 剣一 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (10837090)
藤井 康幸 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 教授 (20630536)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 空き地 / 空き家 / 人口減少 / 土地利用計画 / ランドバンク / ラストベルト / 米国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人口減少都市の空き地・空き家の増加に対応するために、米国の衰退工業地域を対象に、土地所有の整理、空き地の管理活動、土地利用政策という個別技術の連携・統合手法を分析することを目的とする。 米国の衰退工業地域の都市を対象として机上調査および現地調査を行い、特にランドバンクを活用した空き地・空き家の一時的な保有から戦略的な処分・保留についてデトロイト市を中心に事例分析を進めた。同市のランドバンクは、市役所の地区再生戦略とランドバンク所有地の処分戦略を緊密に連携させており、土地所有の再整理と土地利用戦略を地区スケールで連携させる手法として分析できた。また、空き地の管理活動についても、衰退地区の再生戦略の策定において、隣地住民や近隣住民による管理の推奨(公有地の譲渡も含む)から、さらに人口減少が進行した地区に対しては、低頻度で管理コストを最小化したランドスケープ管理まで、多様な手法が検討・実装されており、土地所有の整理と空き地管理活動の連携手法として研究した。 住宅地安定化を狙い策定された地区再生戦略の実施については、空き地の公園化・緑道化など市主導の事業は、短期間で整備が進んでいる。一方で、空き家改修や空き地への住宅供給は、民間事業者に条件付きでランドバンク所有地を譲渡するかたちで進められているが、公共事業と比べると実現に時間がかかる地区も多く、立地や近傍の安定した住宅地の有無により成否が分かれている可能性がある。人口減少都市において地区の人口の安定化を狙った取り組みの効果や課題を今後検討する必要がある。 また、米国の事例分析も踏まえ、日本への適用可能性を検討するために、主に遠郊外の住宅地について事例研究を進め、開発時点の分譲方式とその後の空き家発生率の関係について分析や郊外戸建て住宅地の居住者の入れ替わりに関する研究を進めた。
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Research Products
(4 results)