2021 Fiscal Year Research-status Report
サービスシステム設計理論と最適化技術の融合による組織連携に基づく配送システム設計
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19K04894
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉本 一穂 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50158507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 峻一 早稲田大学, 理工学術院, 准教授(任期付) (30649348)
三原 康司 早稲田大学, 理工学術院, 教授(任期付) (40637336)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 物流 / ロジスティクス / 配送計画問題 / 組織連携 / サービス設計理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、昨年度に開発を行った「水平の連携」と「垂直の連携」による配送効率化のスキームを、他の業界の事例に適用をして社会実装を行った。具体的には、小売りチェーンを展開する会社に対して、各チェーンの店舗への荷物の配送を、1台のトラックで共同配送した場合の効果を検証した。
本研究では、荷主同士あるいは配送業者同士の共同物流を「水平の連携」、荷主と配送業者間の連携を「垂直の連携」と定義している。既に、それぞれの連携による効果は昨年度に検証をされていたが、今年度は特に両者を組み合わせることによる効果について有効性の検証を行った。結果としては、大幅な配送効率向上を見込めることができ、これにより物流企業にとってはコスト削減、また社会的にもCO2削減、渋滞緩和の効果が見込めることがわかった。特に、両者を組み合わせることで、それぞれの連携の効果を合計した以上の相乗効果が得られることが分かった点が、意義が大きい。一方で、各社でのオペレーションにおいて独自のルールがあることから、共同配送する際の課題点についても明らかになった。
また、昨年度のヒアリングより、共同配送の費用負担における公平性が大きな問題となり、共同配送の連携が進まないことが分かっていた。この問題を解決するため、公平な費用負担を行うための方法論として、Fuzzy-Programmingを用いた多目的最適化のアプローチを提案した。成果を国際ジャーナルに投稿したが、国際ジャーナルに受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
成果を国際ジャーナルとして投稿して、採択されている。また、当初想定していた研究フィールドに加えて、別の業界においての適用も行うことができ、有効性の検証がさらに進んでいる。このため、当初の計画以上に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、国土交通省・経済産業省を中心にフィジカル・インターネットの概念が着目されている。本研究で目指すものは、まさにフィジカル・インターネットと通ずる点が多いため、有識者との意見交換を踏まえて、今後の方針を明確にする。また、これまでは都市部での事例検証が中心であったが、山間部などの物流に対する連携の有効性の検証も視野に入れている。
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Causes of Carryover |
昨年度までコロナ禍のため現場訪問ができなかった。このため数値的なシミュレーションを用いた分析を主に進めていた。今年度は、現場訪問を行い、組織間の連携を行う際のオペレーション上の課題について、詳細に整理を行うことを計画している。
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