2019 Fiscal Year Research-status Report
Preparation of high durable super-hydrophobic composite films by microwave plasma CVD
Project/Area Number |
19K05037
|
Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
高井 治 関東学院大学, 材料・表面工学研究所, 特別顧問 (40110712)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稗田 純子 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40566717)
上野 智永 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20611156)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 超撥水 / マイクロ波プラズマCVD法 / 表面形状制御 / 耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロ波プラズマCVD法を用いた高耐久性超撥水膜の作製およびその劣化機構の解明を目指して、今年度は表面形状の制御および撥水性付与のためのマイクロ波プラズマCVD法を用いたアモルファス炭素膜の作製を行った。 (i) 表面形状の制御 超撥水性発現のためには、表面の化学的特性だけでなく、表面形状の制御も不可欠である。硬質な表面凹凸の作製のために、ゾルゲル法およびシリカ粒子の添加による表面凹凸の骨格の作製を行った。シリカ粒子添加量に対する表面特性の変化を調査した。平均粒径数μmのシリカ粒子添加量の増加とともに表面特性をエンハンスしていることが確認できた。より表面特性を向上させるには、添加するシリカ粒子の粒径・粒径分布と表面特性との関係を調査・検討する必要がある。その際、画像解析等の最新の解析法も取り入れることで、より関係性を精査できると考えられる。この表面凹凸を有するシリカ膜を撥水性のアモルファス炭素膜でコーティングすることにより、超撥水性が得られる。 (ii)硬質アモルファス炭素膜の作製 マイクロ波プラズマCVD法による硬質かつ撥水性を有するアモルファス炭素膜の作製を目指し、メタンを原料としてアモルファス炭素膜の作製を行った。さらに、アモルファス炭素膜の硬さを向上させるために、基板にバイアス電圧を印加し、バイアス電圧と表面特性との関係を調査・検討した。基板バイアスが-50Vでは表面特性には変化が見られなかった。そのため、より高いバイアス電圧を基板に印加する必要がある。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はマイクロ波プラズマCVD法を用いた高耐久性超撥水膜の作製およびその劣化機構の解明を目指して、今年度は表面形状の制御および撥水性付与のためのマイクロ波プラズマCVD法を用いたアモルファス炭素膜の作製を行い、硬質な撥水膜作製の目途が立った。来年度は摩擦摩耗試験により表面形状を損傷させ、表面形状の変化と撥水性低下との関係を調査・検討する予定であり、研究進捗は順調であると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
(i)表面形状の制御 様々なサイズのシリカやポリマー粒子添加による表面構造作製を行い、その表面構造と表面特性との関係を画像解析等により明らかにする。 (ii) 硬質アモルファス炭素膜の作製 昨年度に引き続き、基板バイアスの印加等によりアモルファス炭素膜の硬さの向上を目指す。(i)で作製した表面形状を有する膜上にアモルファス炭素膜を成膜し、摩擦摩耗試験を実施し、表面構造の劣化と撥水性低下との関係を調査・検討する。
|
Causes of Carryover |
アモルファス炭素膜作製のためにマイクロ波プラズマCVD装置の改造を予定していたが、既存の部品等を使用できたため、その分使用額が抑えられた。生じた次年度使用額は、表面形状と表面特性の劣化機構解明のために必要な器具等の製作や外部への測定依頼費等に使用する。
|