2020 Fiscal Year Research-status Report
Preparation of high durable super-hydrophobic composite films by microwave plasma CVD
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19K05037
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
高井 治 関東学院大学, 材料・表面工学研究所, 特別顧問 (40110712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稗田 純子 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (40566717)
上野 智永 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20611156)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 超撥水 / マイクロ波プラズマCVD法 / アモルファス炭素 / 耐久性 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロ波プラズマCVD法を用いた高耐久性超撥水膜の作製およびその劣化機構の解明を目指して、2020年度はマイクロ波プラズマCVD法を用いたアモルファス炭素膜の作製を試みた。メタン(CH4)を原料とし、膜の硬さを向上させるために、基板にバイアス電圧を印加した。さらに、成膜圧力、Ar/CH4流量比、基板の設置位置等の成膜条件を変化させ、柔らかいポリマー状の膜ではなく、硬いアモルファス炭素膜が形成される成膜条件を調査・検討した。CH4流量10、20ccm、Ar流量250ccm、導波管から50mmの位置で作製した膜のラマンスペクトルは蛍光バックグラウンドとともに、アモルファス炭素の形成を示すG-Band、D-Bandが見られた。CH4流量30ccm、Ar流量50、100ccm、導波管から50mmの位置で作製した膜はポリマー状の膜であった。また、CH4流量30ccm、Ar流量50ccm、導波管から30mmの位置で作製した膜のラマンスペクトルではG-Bandが見られた。基板位置を導波管に近づけることで、より多くの炭素・炭化水素イオンが基板上に到達し、グラファイト構造が形成したと考えられる。CH4流量 30ccm、Ar流量50ccm、導波管から30mmの位置で作製した膜表面の水滴接触角はそれぞれ95°となり撥水性を示した。 今後は、より耐久性を高めるために、アモルファス炭素膜の硬さのさらなる改善を試みるとともに、前年度のシリカ粒子の添加による表面形状付与と合わせて、高耐久性超撥水膜の作製を行い、超撥水性の劣化と表面形状変化との関係を調査・検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロ波プラズマCVD法を用いた高耐久性超撥水膜の作製およびその劣化機構の解明を目指して、2020年度はマイクロ波プラズマCVD法を用いたアモルファス炭素膜の作製を行い、硬質な撥水膜作製の目途が立った。来年度は高耐久超撥水性アモルファス炭素膜を作製し、摩擦摩耗試験により表面形状を損傷させ、表面形状の変化と撥水性低下との関係を調査・検討する予定であり、研究進捗は順調であると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度に引き続き、アモルファス炭素膜の硬さの向上を目指す。さらにシリカ粒子を添加しゾルゲル法で作製した表面形状を有する膜上にアモルファス炭素膜を成膜し、高耐久性超撥水アモルファス炭素膜を作製し、摩擦摩耗試験を実施し、表面構造の劣化と撥水性低下との関係を画像解析等により調査・検討する。
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Causes of Carryover |
アモルファス炭素膜作製のためにマイクロ波プラズマCVD装置の改造を予定していたが、既存の部品等を使用できたため、その分使用額が抑えられた。生じた次年度使用額は、表面形状と表面特性の劣化機構解明のために必要な器具等の製作や外部への測定依頼費等に使用する。
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