2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of sensitive biochips with multilayered structures aiming for fluorescence enhancement
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19K05532
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Research Institution | Tokyo University of Technology |
Principal Investigator |
矢野 和義 東京工科大学, 応用生物学部, 教授 (40262109)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | プロテオミクス / アプタマー / プラズマ重合 / 分析化学 / 薄膜 / 蛍光増強 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和元年度は、アセトニトリルをモノマーとしてプラズマ重合膜を製膜した後、洗浄操作により膜厚が低下したこと、またプラズマ重合を行う際の出力を100 Wから200 Wに変えることで膜厚低下を抑えられることを明らかにした。そこで令和2年度は、この重合条件でナノ積層基板を作製し、DNAアプタマーを分子認識素子として用いたサンドイッチアッセイを試みた。 まずナノ積層基板の表面に架橋剤グルタルアルデヒドを介して血液凝固因子トロンビンを認識する一次アプタマーを固定化した。次に蛍光色素Cy5標識した二次アプタマーとトロンビンを相互作用させた複合体を基板上に添加し、分子認識に由来する二次元蛍光像を解析した。その結果、特異性評価のための対照分子として用いたキモトリプシンやIgGについてもトロンビンと同程度の蛍光強度が得られたことから、グルタルアルデヒドが架橋剤として機能しておらず、Cy5標識二次アプタマーが基板上に非特異的に結合している可能性が示唆された。 そこで架橋剤を両末端に同じアルデヒド基をもつグルタルアルデヒドから、マレイミド基とNHSエステル基の異なる末端をもつSulfo-EMCSに変え、またマレイミド基と共有結合可能なチオール基で標識した一次アプタマーを用いて、同様のアプタマーサンドイッチアッセイを行った。その結果、トロンビンに特異的な蛍光像強現象が観察されたことから、ナノ積層構造とSulfo-EMCSの有用性が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アプタマーを用いたサンドイッチアッセイを行い、蛍光増強現象を確認でき、さらにアッセイ方法として特異的な検出も行えることを確認できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、アセトニトリル以外のモノマーの検討や、トロンビンに対する検出感度の詳細な評価を行う。また分子認識素子をアプタマーから抗体に変え、ナノ積層基板がサンドイッチイムノアッセイにも応用可能であるか検討する。
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Causes of Carryover |
(理由)試薬やプラスチック用品などの消耗品を予定より安く購入できた。 (使用計画)次年度使用額と合わせた次年度助成金で、引き続きDNAや抗体、標的タンパク質、プラスチック用品などを購入する。
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