2019 Fiscal Year Research-status Report
口腔の健康維持に寄与する主要口腔細菌群の遺伝子操作系の開発と遺伝子機能の解明
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19K05793
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松見 理恵 九州大学, 農学研究院, 特任准教授 (90397597)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CRISPR-Casシステム / 細菌 / 遺伝子操作系 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、口腔常在細菌叢の中で特に口腔内の健康維持に重要と考えられている細菌群(口腔健康細菌群)に焦点を当て、これら「健康細菌群」の遺伝子機能を解明することにより口腔予防システムの確立につなげていくことを目標としている。 初年度は、遺伝子機能解明に不可欠な「健康細菌群」の遺伝子操作系の構築を行うため、CRISPR-Casシステムの利用を目指した。研究代表者の所属研究室では日本近郊の様々な海域の海水由来DNAサンプルのショットガンシーケンスによるメタゲノムデータからCRISPR-Casシステムの新規エフェクター候補の遺伝子配列を抽出している。これらの中で完全長の遺伝子配列データが得られている16種類について、実際にDNAサンプル中に遺伝子が存在するか否かを調べた。 それぞれの候補遺伝子についてプライマーを設計し、PCR法によりDNAサンプルから遺伝子断片の検出を行った。その結果、すべてのDNAサンプルにおいて遺伝子の長さと同一な増幅断片が得られた。さらにこれらの増幅断片が候補遺伝子であるかを確認するため、増幅断片を遺伝子クローニング用ベクターに挿入し、サンガーシーケンス法によりDNA塩基配列を解析した。これまでに1遺伝子を除く15遺伝子についてクローンが得られており、DNA塩基配列解析により目的の新規エフェクター候補遺伝子であることを確認した。 今後はこれらの遺伝子を発現し、メタゲノムデータより同時に得られているCRISPR配列を用いて新規エフェクターの活性を調べ、遺伝子操作系に応用していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度となる本年度は、本研究の「口腔健康細菌群」の遺伝子機能解明に必要な遺伝子操作系の確立の鍵となるCRISPR-Casシステムのエフェクター候補遺伝子のクローニングに成功した。次年度は、これらの新規エフェクター候補の活性を調べ、応用へ結びつけていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はCRISPR-Casシステムの新規エフェクター候補を用いた遺伝子操作系の確立に向け、候補遺伝子の機能解析を実施する。
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Causes of Carryover |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なったが、研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Reconstitution of Endonuclease Q-mediated and Endonuclease V-mediated Repair Pathways for Deaminated Base Repair in the Hyperthermophilic Archaeon, Thermococcus kodakarensis2019
Author(s)
Meika Harada, Mariko Nagata, Keisuke Oki, Rie Matsumi, Tamotsu Kanai, Haruyuki Atomi, Tomoyuki Numata, Miyako Shiraishi, Sonoko Ishino, Yoshizumi Ishino
Organizer
15th International Congress on Thermophiles
Int'l Joint Research
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