2021 Fiscal Year Annual Research Report
食品成分による新規抗癌活性:アノイキス誘導による癌細胞の浸潤・転移抑制機能の解析
Project/Area Number |
19K05932
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Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
矢野 仁康 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (40304555)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 癌幹細胞 / 細胞死 / ストレス蛋白質 / アポトーシス / 上皮間葉転換 / アノイキス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画書に記載の如く今年度は, 食品成分であるクルクミンによる癌の浸潤・増殖・転移抑制効果についての生体応用実験(in vivo解析)を行った。当初予定していた,ヌードマウスを用いた癌移植モデルの構築が困難であったため,代用モデルとしてマウスに癌細胞を移植し固形腫瘍を作成させた担癌モデルの構築を行った.先ず,マウス肺癌由来のLewis lung carcinoma (LLC)細胞を用いて,クルクミンが浮遊状態のLLCに対してその細胞生存率を減少させるか否かについて検証を行った。LLCにおいても同様に低接着プレートを用いた浮遊培養を行い,培養開始後24時間でクルクミンを添加し,48時間処理後WST8-assayにより細胞生存率を測定した.その結果,浮遊LLCにおいてもクルクミン添加により,細胞生存率の低下が認められた。次にLLC細胞を,マウスの皮下に移植しその後肺へ生着させた自然肺転移モデルを作成した.具体的にはPBS に懸濁させた1×10~6個のLLCを,C57BL6 マウスの背部皮下に注入し,おおよそ7~10日間後に局所での腫瘍形成(腫瘍径約3mm大)が認められた.この時点から,DMSOで希釈した食品成分のクルクミンを1日おきに腹腔内に投与した.投与後3~4週間でマウスを屠殺し,癌の原発巣(背部皮下)での増殖と肺転移(腫瘍結節の数と大きさ,肺重量)に対する抑制効果についての解析を行った.結果として,クルクミン投与群では,コントロール群と比べて肺への転移巣数の有意な減少が認められた事から,食品成分による癌細胞の浸潤・転移抑制機能がin vivoでも検証された.
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Research Products
(4 results)