2020 Fiscal Year Research-status Report
クルマエビの初期発生段階・雌雄別発現解析による性決定機構の解明
Project/Area Number |
19K06243
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Research Institution | Fisheries Research and Education Agency |
Principal Investigator |
伏屋 玲子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水研機構(横浜), 主任研究員 (40373469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 崇 東京海洋大学, 学術研究院, 教授 (40313390)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | クルマエビ / 発生段階 / 性連鎖マーカー / 性決定 / 性分化 / GRAS-Di解析 / RNA-seq解析 / RNA抽出 |
Outline of Annual Research Achievements |
雌のクルマエビを飼育下で催熟し,自然産卵で受精卵を採集した。各家系について水槽を分けて飼育管理し,珪藻及びアルテミア給餌により種苗生産を行った。ふ化後のノープリウス期,ゾエア期,ミシス期の各幼生期ごと,また期間が長いポストラーバ期については3日ごとに,それぞれ20-40個体を個別サンプリングした。さらにその家系ごとに,形態で雌雄の判別ができる稚エビまで育成した。 家系の種苗生産に使用した両親とその子供・稚エビサンプル(雄雌各45個体)から,フェノール・クロロホルム法を用いて個体ごとにゲノムDNAを抽出し,濃度を計測した。これらのサンプルをもとに,GRAS-Di解析を行い,新規の性連鎖マーカーを開発した。解析には以前のGBS解析でも使用したクルマエビゲノムデータ(東京海洋大学内)をリファレンスとしたが,新たにゲノムデータが公開されたため再解析に着手した。 初期発生段階でサンプリングした幼生はISOGEN(ニッポンジーン)で固定して冷凍保存後,微量組織からRNAが抽出できるかどうか,また同サンプルからDNAを抽出し,以前の科研費で開発した性連鎖マーカーで雌雄判別が可能かどうかを検討した。既存の研究報告を参考にし,まずは組織学的に生殖組織が形成されるポストラーバ期の個体を選び,生殖器部位の形成を推定した腹部をピンセットとハサミで切り出し,プロトコールに従ってRNAを抽出し,濃度を測定した。同サンプルよりDNAも抽出し,性連鎖マーカーのプライマーを用いてPCR後,シーケンシングを行い,SNPを調べ雌雄判別を行った。幼生からのRNAおよびDNA抽出が可能であったため,RNA-seq解析についても(予備)試験を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍で分担研究機関(東京海洋大学)で実験,解析が実施できない時期があったが,概ね遂行されている
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Strategy for Future Research Activity |
GRAS-Di解析の再解析を行い,開発した性連鎖マーカーの確認を行うとともに,RNA-seq解析を実施し,発生段階初期に雌雄差のある遺伝子をリストアップし,性連鎖マーカーと連鎖する候補遺伝子の探索を行う。
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Causes of Carryover |
コロナ禍(緊急事態宣言等を含む)および研究代表者の異動により,予定していた分担機関での実験およびそれらも含む出張等が減少したため,次年度使用額が生じた。次年度は年度配分額が少ないため,さらに多くの実験,解析を進めることで,全額使用が見込まれる。
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Research Products
(3 results)