2021 Fiscal Year Research-status Report
都市近郊水源域における近代1世紀分の高精細な林分構造マッピングと水収支変遷の解析
Project/Area Number |
19K06345
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
橘 隆一 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (20432297)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 桂子 岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (10457898)
下嶋 聖 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (60439883)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 水資源 / 水収支 / 多摩川源流域 / 森林蒸発散量 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度同様,多摩川源流域の森林を構成するカラマツ人工林の特に幼齢林にて年度初めからの実地蒸発散量測定を検討したが,おりからの新型コロナウィルス感染拡大の影響により断念せざるを得ず,その他の推進すべき課題においても遅滞することとなった。 ただ年度末には,ようやく進展が見られた。すなわち,次年度では幼齢カラマツ人工林の実地蒸発散量の測定が展開できる目途がたち,その調査に向けてのグラニエセンサーの作成や現地地主との調整を含めた具体的な調査計画を立てることができた。これら幼齢林の正確な情報を得られることが出来れば,これまで得てきた壮齢林や老齢林における情報も合わせて,カラマツ人工林のライフサイクル全体における蒸発散特性を明らかにできる可能性が出てくるといえる。 黎明期の東京都西多摩郡における森林・林業の実態変遷については,すでに前年度までにこれまでに様々な既存資料から林政学的な手法で明らかにしてきているため,あとは整理,取り纏めを残すまでとなっているものの,やはり今年度においては前述の通り社会的な制約が大きく,思うようには進まなかったともいえる。 該当地域の空中写真を対象にオルソモザイク処理を進めてオブジェクト指向分類に基づく地物のセグメンテーション処理を行う予定であったが,先の理由と同様,遅滞気味で森林タイプの属性付けをした上でさらに複数時期における渓間変遷を把握するという目標達成までには達していない。 以上のことから,令和3年度科研費の補助事業期間延長について承認申請を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
小課題それぞれが,新型コロナウィルス感染拡大の影響により断念または遅滞せざるを得ない状況におちいってしまったため,推進速度が減速してしまった。そのため,令和3年度科研費の補助事業期間延長について承認申請を行っている。 ただし,最も労力を要する,実地でのカラマツ人工林の蒸発散測定の目途がたったため,次年度での取り戻しは可能と判断している。ほか2つの課題については,ある程度は前年度までのうちに進めてこられたこともあるのでこちらも次年度では予定通りの展開が見込めるものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
幼齢カラマツ人工林の実地蒸発散量の測定を行う。この実地での調査を研究のベースとしたい。次に,空中写真についての整理である。こちらも前年度行う予定だったがやや遅れているためほぼ同時に進めていきたい。その上で林政学的な情報と照らし合わせて,最終目標である,多摩川源流域における森林の歴史的変遷に伴う水収支の変化を推計,解析していく。
|
Causes of Carryover |
昨年同様,空中写真のオルソ幾何補正に時間を要してしまったため本年度での購入を避けた。他の小課題についても新型コロナ感染拡大防止の観点から研究計画通りに進まなかったため,令和3年度科研費の補助事業期間延長を承認申請した。そのため,次年度使用額が生じることとなった。
|