2020 Fiscal Year Research-status Report
Identification of novel bovine paternally expressed imprinted genes
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19K06368
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
金田 正弘 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (80469840)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ウシ / DNAメチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
X染色体不活化に関わるXIST遺伝子の発現調節機構に着目し,体細胞クローン牛および非クローン牛の各種臓器(心臓,肺,肝臓,脾臓,腎臓,空腸,骨格筋)からゲノムDNAを抽出し,バイサルファイトシーケンス法を用いてXIST遺伝子プロモーター領域のDNAメチル化状態を解析した。その結果,メスの個体ではメチル化状態は臓器・個体によりかなりの変動があったものの,平均するとクローン牛と非クローン牛間で優位な差は検出できなかった。また,オスの個体は数が少なかったものの,すべての個体・すべての臓器で非常に高度なメチル化状態を維持している。X染色体不活化はメスに特異的な現象であり,XIST遺伝子はX染色体不活化の初期段階に必須なnon-coding RNAであることが知られていることから,オスではXIST遺伝子がすべての臓器で高度にメチル化されており,XISTの発現が抑制されていることが確認できた。一方,メスでは半数のX染色体がランダムに不活化されているが,今回用いたサンプルからはRNAは回収していないため,メチル化と発現調節については,以下の通り培養細胞を用いた研究を行った。
種々のウシ培養細胞に対してDNAメチル化阻害剤である5-aza-2-deoxycytidineを添加し,XIST遺伝子の発現状態およびDNAメチル化状態を解析したところ,一部の細胞株(オス)において,XIST遺伝子の再不活化およびDNAメチル化の低下が見られたことから,ウシにおいてもDNAメチル化がXIST遺伝子の不活化に必須の役割をしていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
引き続き,ウシ新規父性インプリント遺伝子の発現解析および発現調節解析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は生体材料を入手して行うとともに,様々な細胞株を用いたDNAメチル化阻害剤添加によるDNAメチル化や遺伝子発現の変化を解析し,ウシ新規父性発現遺伝 子の同定につなげていきたい。
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Causes of Carryover |
端数処理
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