2019 Fiscal Year Research-status Report
Expression analysis of FGFR in canine mammary tumor
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19K06408
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Research Institution | Nippon Veterinary and Life Science University |
Principal Investigator |
山本 昌美 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 准教授 (30530026)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Dog / Mammary tumor / FGFR / IHC / TMA |
Outline of Annual Research Achievements |
近年ヒトのがん研究では、乳腺腫瘍を含む様々ながんにおいて線維芽細胞増殖因子受容体(Fibroblast growth factor receptor:FGFR)の発現が認められること、そしてそのサブタイプ1-4とがんの発生母体組織との間に関連が認められることが報告されている。FGFRはヒト腫瘍に対する新しい分子標的マーカーとしても注目されており、ヒトでの分子標的治療薬として期待されているが、イヌを初めとする動物の腫瘍組織における発現については解析が進んでいない。そこでイヌで発生の多い乳腺腫瘍において各サブタイプのFGFR発現を検索し、その発現量と悪性度の関連を探ることがこの研究の目的である。この研究によって、FGFRがイヌにおける新しい悪性指標マーカーあるいは分子標的として、診断・治療に新しいツールとなることを期待する。 今年度はイヌの正常組織と乳腺腫瘍症例組織を用いて、FGFRのタンパク発現量を組織上で確認するために、免疫組織化学的解析をおこなった。HE組織で悪性度と組織型を分類したイヌ乳腺腫瘍組織の検体を用いて組織マイクロアレイ(Tissue Microarray:TMA)を作製し、FGFR1-4の6種類の抗体を用いて免疫組織化学染色をおこなうとともに、各種細胞マーカーの発現も解析し、その細胞特性とFGFR発現量の関係を探索した。また本研究室で維持しているイヌ乳腺細胞株乳腺癌細胞株6種類(CIPp、CTBp、CNMp、CHMp、NV-CML、17-442)およびその転移巣由来細胞株での発現解析を試みた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イヌ乳腺腫瘍組織から作製した組織マイクロアレイ(TMA)を用いて、複数のFGFR抗体を用いて免疫組織化学的に発現の解析を行った。各FGFRの発現と病理組織像の関連について比較検討するとともに発現細胞の性質を確認するために、乳腺上皮細胞同定マーカー、上皮間葉移行関連マーカーなどを用いた解析を進めているが、使用してきた染色キット・抗体の入手が困難になったことから、途中で染色方法を変更した。これにより安定した発現解析の条件再設定に予想以上に時間を有し、計画していた細胞株を用いた発現解析に遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究計画通り腫瘍組織での解析をさらに進めるとともに、培養細胞株を用いた発現検索を遂行する計画である。特に細胞特性とFGFRの関連をRNA発現など分子生物学的手法を含め詳細に探索する予定にしている。
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Causes of Carryover |
今年度計画していた培養細胞を用いた解析の遅れと参加予定であった学会の中止により次年度使用額が生じた。繰り越した助成金は次年度計画している解析実験に使用する。
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