2022 Fiscal Year Annual Research Report
電気生理学と分光学の統合によるイノシトールリン脂質ホスファターゼの動作原理の解析
Project/Area Number |
19K06585
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
川鍋 陽 香川大学, 医学部, 講師 (10707128)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電位依存性ホスファターゼ / 電位依存性 / 脂質代謝酵素 / 電気生理学 / イオンチャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、イノシトールリン脂質脱リン酸化酵素(PIPase)の酵素活性制御モデルの検証および構造変化解析を行った。具体的には電位依存性ホスファターゼVSPもしくはPTENに導入した非天然蛍光アミノ酸Anapの蛍光・FRET変化を検出することにより活性化状態へと至る構造変化の実体とPIPaseに共通する動作原理を明らかにする。 電位依存性ホスファターゼは膜貫通の電位センサードメインと細胞質内に存在する酵素領域が結合したタンパク質である。電位センサードメインと酵素領域をつなぐリンカー領域が酵素活性制御のキーになると考え、単にリンカーの長さが重要なのか、それとも構造が重要なのかを区別するために、この領域に複数のAlaを挿入することで活性がどのように変化するのかを検討した。その結果、挿入するAlaの数が約3ごとに酵素活性が回復するという周期的な性質があることが判明した。一方で、Glyはアミノ酸を挿入する数に伴って、酵素活性は低下していくという性質を示した。これらの実験から、リンカー領域はαヘリックス構造をとっており、その構造が酵素活性の維持に重要であることが明らかとなった。さらに、このリンカー領域の構造がどのように酵素活性に寄与しているのかを解析するために、Anapを組み込んでVoltage Clamp fluorometry(VCF)法によって蛍光変化解析を行った。この測定により、VSPが活性化した際に、S4+リンカー領域と酵素領域の活性中心付近の疎水性部位の相対的な距離が変動することにより、酵素活性に影響を与えていることが示唆された。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article] Rhodopsin-bestrophin fusion proteins from unicellular algae form gigantic pentameric ion channels2022
Author(s)
Rozenberg A,Kaczmarczyk I,Matzov D,Vierock J,Nagata T,Sugiura M,Katayama K,Kawasaki Y,Konno M,Nagasaka Y,Aoyama M,Das I,Pahima E,Church J,Adam S,Borin V A,Chazan A,Augustin S,Wietek J,Dine J,Peleg Y,Kawanabe A,Fujiwara Y,Yizhar O,Sheves M,Schapiro I,Furutani Y,Kandori H,Inoue K,Hegemann P,Beja O,Shalev-Benami M
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Journal Title
Nature Structural &Molecular Biology
Volume: 29
Pages: 592~603
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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