2021 Fiscal Year Research-status Report
100年で進化した高山性の小型化現象の解析―ニュージーランドの帰化植物を用いて―
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19K06809
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
篠原 渉 香川大学, 教育学部, 准教授 (30467443)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高山性ミニチュア植物 / 帰化植物 / ニュージーランド / 適応進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブタナ(Hypochoeris radicata)とヒメスイバ(Rumex acetosella)はヨーロッパ原産の多年生草本であり、1800年代中頃にニュージーランドに帰化したことが標本から確認されている(ブタナは1867年、ヒメスイバは1850年)。さらに約100年後の1980年代には両種ともに南島の低地から高地にかけて広く分布しており、高地に進出したブタナとヒメスイバはその葉面積が低地の半分以下になっていることが報告されている。本研究ではニュージーランドの帰化植物であるブタナとヒメスイバの高山の小型化形質がどのような特徴を持つのか、また遺伝的基盤をもつ適応形質かどうかを明らかにすることを目的とする。 ニュージーランドのオークランド博物館、ニュージーランド博物館、National Forestry標本庫に収蔵されていたスイバ66点とブタナ122点の標本から、葉・茎・花の各器官のサイズと形を測定した。葉は個体の最大葉の葉面積、葉の形の指標となる葉型指数を計測した。また茎及び花茎は個体の最大長を測定した。花については花の直径及び花弁の面積を測定した。 さらに採集地の情報とニュージーランドの国有地の地図を照らし合わせ、現地での採集地を決定した。そして決定した採集地に基づき、ニュージーランドの複数の国有地での採集許可を取得した。またブタナとヒメスイバの自生地であるユーラシア大陸から採取された標本についての形態計測をすすめ、自生地での体サイズの変異幅を測定中である。 またヴィクトリア大学のKevin C. Burns 教授と研究打ち合わせ行い、来年度ヴィクトリア大学で長期研究を行うためのVisiting Researcherの延長手続きを行った。 加えて本研究と関連する高山性ミニチュア植物の論文の作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う厳しい入国制限により、ニュージーランドに渡航できず、本研究材料の採集が行えなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
ニュージーランドへの入国が可能になり次第、研究材料の採集を行う。器官レベル及び細胞レベルの形態形質の比較を行う。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う厳しい入国制限により、ニュージーランドに渡航できず、本研究材料の採集が行えなかった。 ニュージーランドへの入国が可能になり次第、ニュージーランドに渡航して調査を行う。
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