2020 Fiscal Year Research-status Report
ライバル雄の妨害がドライブするシオマネキ類の配偶者選択におけるシグナル系の複雑化
Project/Area Number |
19K06857
|
Research Institution | Kitakyushu Museum of Natural History and Human History |
Principal Investigator |
竹下 文雄 北九州市立自然史・歴史博物館, 自然史課, 学芸員 (00723842)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
逸見 泰久 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 教授 (40304985)
松政 正俊 岩手医科大学, 教養教育センター, 教授 (50219474)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 密度 / ハクセンシオマネキ / 妨害 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハクセンシオマネキの配偶ペア形成時に生じる近隣個体による妨害の密度依存性を検証するため、初年度と同じく、本年度においても低密度個体群(熊本県上天草市小泊干潟)にて調査を実施しデータを追加する予定であったが、COVID-19の影響により、研究拠点である臨海研究施設が使用できなくなったため、やむなく調査を中止した。また沖縄県にてその他シオマネキ類を対象とした野外調査を実施する予定であったが、同様の理由により、調査をキャンセルした。その代わりとして、福岡県内の複数の個体群にて、ハクセンシオマネキ(北九州市曽根干潟・北九州市門司東部沿岸・福津市津屋崎)、およびシオマネキ(曽根干潟)を採集するとともに、一部は観察を行った。これらのサンプルやデータは今後求愛ディスプレイや形態の種間・種内比較に用いる予定である。 また初年度に撮影した映像から、ハクセンシオマネキ高密度個体群(熊本県上天草市永浦干潟)と低密度個体群(小泊干潟)における干潟表面で活動する個体の頻度の定量化を行った。その結果、永浦干潟(15.2 ± 2.0 個体/60 cm^2)では小泊干潟(4.6 ± 1.8個体/60 cm^2)よりも干潟表面で活動する個体が有意に多かった。これにより本研究の大前提と言える個体群間の密度の違いを示すことができた。 さらに本研究と強く関連するメスの配偶者探索行動の温度依存性を示した野外研究に関する論文を学術雑誌に投稿し、受理・掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19の影響により、予定していた野外調査が実施できなかったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度に延期した調査を次年度に繰り越す。種間比較のために予定していた調査は一部縮小し、国内種を対象とした採集・比較を行う。また一部の種間比較については博物館の標本を利用するなどして補う。
|
Causes of Carryover |
本年度に実施予定だった野外調査ができなかったため使用額が大幅に減少した。次年度に代わりとなる調査を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)