2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K06869
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
坂上 和弘 独立行政法人国立科学博物館, 人類研究部, 研究主幹 (70333789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 正二 一般財団法人Ai情報センター(研究グループ), 研究グループ, その他 (40302567)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 自然人類学 / ミイラ / 即身仏 / 保存科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、国立科学博物館をはじめ、東京大学、京都大学、九州大学、群馬県自然史博物館所蔵といった研究機関所蔵のミイラおよび個人蔵の「明海上人」と貫秀寺所蔵の「弘智法印 宥貞」を調査した。そのうち、国立科学博物館所蔵の8体のミイラと群馬自然史博物館所蔵の4体の部分ミイラ、そして「弘智法印 宥貞」のCT撮影をおこなった。その結果、ミイラの性別や年齢といった基礎情報から、ミイラのもつ病気(子宮がん、前立腺がん、結核など)やミイラ化の方法(柿のタンニンを利用、遺体を縛って立った状態で乾燥など)などが判明した。 このような結果を論文化して現在投稿中である。上記の複数の結果を基として、国立科学博物館で開催した特別展「ミイラ」において展示を作った。この特別展は2019年11月~3月まで開催され、約46万人の来場者数を記録している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に移動式CTを用いて即身仏のCT撮影を行う予定であったが、今年度中は執り行うことが出来なかった。その理由は、現存する「即身仏」を保存している機関からの返信が遅れており、現在調整中であるためである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は即身仏の調査ならびにCT撮影を中心に行う予定である。課題としては、即身仏所蔵機関の理解を得ることである。現地の状況に詳しい研究者等の口添えをお願いして、理解を得る予定である。
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Causes of Carryover |
本年度には各地に保管されている「即身仏」の移動CTによる撮影を行う予定であり、研究利用申請をおこなっていた。しかし、複数の機関から決定が遅れてしまい、実行できなかった。また、CT撮影をおこなった「即身仏」も運搬して病院で撮影を行うことが可能であった。従って移動式CTをレンタルする費用が使われず、差額が生じてしまった。令和2年度は複数の機関で移動式CTにて撮影を行う予定である。
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