2023 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリコバクター・シネディの特定のクローンに存在する新規のゲノム修飾の役割解明
Project/Area Number |
19K07074
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
林原 絵美子 国立感染症研究所, 細菌第二部, 室長 (20349822)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Phosphorothioate化修飾 / Helicobacter cinaedi / DNA修飾 / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAのPhosphorothioate(PT)化修飾は最近近年明らかになった新規のDNA修飾であり、メチル化修飾では塩基がメチル化されるのに対し、PT化修飾ではデオキシリボースを繋ぐリン酸基の酸素が硫黄に置換される。メチル化修飾は外来DNAから自己のDNAを守るRestriction-Modification(RM)システムの一環であるだけでなく、遺伝子の発現調節を介して病原性や環境適応に寄与している。一方,PT化修飾の役割には不明な点が多い。 我々はこれまでにH. cinaediの新規Autotransporter proteinが接着因子として機能していることを明らかにするなど、H. cinaedi感染による病態発現に寄与する因子の解析を進めてきた。本研究ではH. cinaediの院内感染由来クローンCC9が特異的にdnd遺伝子群を持つことに着目して研究を進めてきた。まずCC9であるMRY08-1234株のdnd欠損株を作製し解析した結果,PT化標的配列を明らかにした.さらにdnd遺伝子群欠損株のRNA-Seq解析の結果,dnd欠失株では野生株と比較し,二成分制御系や鞭毛の糖鎖修飾に関連するタンパク質をコードする遺伝子が有意に発現減少しており、細菌のPT化修飾が宿主適応に関連する因子の発現を調節している可能性が見出された。
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Research Products
(3 results)