2020 Fiscal Year Research-status Report
神経筋難病患者の薬物動態変動に及ぼす筋肉量減少の影響の定量的解明
Project/Area Number |
19K07162
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松下 良 金沢大学, 薬学系, 教授 (20293368)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 奈津子 金沢大学, 薬学系, 助教 (70794220)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 神経筋疾患 / 筋肉量減少 / 薬物動態 / 分布容積 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、神経筋疾患患者の適切な薬物治療法確立のために、神経筋難病診療施設の協力を得て、新たに開発された臥床状態でも筋肉量が測定可能な機器を駆使し、筋萎縮病態の異なる筋萎縮性側索硬化症(ALS)および筋ジストロフィー患者の原疾患別に筋肉量の減少と筋肉細胞の変化による薬物動態の変動を定量的に明らかする。更に、それぞれの疾患動物モデルを用いて、in vivo、 in vitroの薬物動態影響因子を解明する。そして、得られた臨床と基礎の結果を基に生理学的薬物速度論および、母集団薬物動態解析の手法を用いて筋肉量減少と薬物動態の関係を再構築し、薬物の筋肉組織分布の変化と体内動態の関係を定量的に明らかにし、臨床上の評価と対処方法を提示する。 本年度は、前年度に引き続き、医王病院との臨床研究を開始し、患者のデータの取得を開始するとともに、レンタル機器の導入を行った。 また、疾患動物モデルについては、更なる適切なモデルの探索のために、ギブス固定、PG-PS投与群での検討を実施した。特に、ギブス固定群では安定的に筋肉量減少と分布容積の間に一定の関係があることを認めたが、筋肉量減少量が少なく、次年度においては、検討週齢の変更(6週齢から15週齢)等を実施し、モデルの確定を行った上で、薬物の体内動態変動の検討を実施する予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
臨床研究においては、当初予定した、筋肉量測定器の導入が遅れたが、検討を開始した。また、測定機器をレンタルすることにより導入し、検討を開始した。 疾患動物モデルについては、前年度の検討を踏まえて、更に、新たなモデル(ギブス固定、PG-PS投与)について、筋肉量減少と薬物体内動態の変動の関係を検討した。筋肉量減少と分布容積の間に一定の関係があることを認めた。
|
Strategy for Future Research Activity |
臨床研究においては、本来の測定方(筋肉量測定器)の活用と、筋肉量測定器の代替手法を併用し臨床研究を進める。 疾患動物モデルについては、更に週齢の変更、低タンパク食の投与等で、モデルを絞り込み、薬物の体内動態の変動を検討する。
|
Causes of Carryover |
臨床研究で用いる筋肉量測定器をレンタル使用としたため、その費用を計上するため。 次年度使用額として計上した費用で、臨床研究を進める。
|
Research Products
(1 results)