2021 Fiscal Year Annual Research Report
神経筋難病患者の薬物動態変動に及ぼす筋肉量減少の影響の定量的解明
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19K07162
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松下 良 金沢大学, 薬学系, 教授 (20293368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 奈津子 金沢大学, 薬学系, 助教 (70794220)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経筋疾患 / 筋肉量減少 / 薬物動態 / 分布容積 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、神経筋疾患患者の適切な薬物治療法確立のために、神経筋難病診療施設の協力を得て、新たに開発された臥床状態でも筋肉量が測定可能な機器を駆使し、筋萎縮病態の異なる筋萎縮性側索硬化症(ALS)および筋ジストロフィー患者の原疾患別に筋肉量の減少と筋肉細胞の変化による薬物動態の変動を定量的に明らかすることを目的とした。 医王病院との臨床研究を開始し、患者のデータの取得をレンタル機器の導入し行った。 希少疾患のため十分な症例数は集めることができなかったが、今後の臨床研究を進める上での基礎データを収集することができた。 また、疾患動物モデルについては、適切なモデルの探索のために、様々な動物モデルを検討し、低蛋白食摂取かつギブス固定法または、dexamethasone 投与で、かつ15週齢で検討することにより、簡便で安定的に筋肉量減少の病態が再現できることを確認した。そして当該モデル動物を用い筋肉量減少とlevofloxacin分布容積の間に一定の関係があることを明らかにした。特に、dexamethasone投与群において、lovofloxacinの分布容積の減少が筋肉量の減少だけでなく、筋肉組織への移行性も関与する可能性が示唆された。このメカニズムを更に検討し、得られた臨床と基礎の結果を基に生理学的薬物速度論および、母集団薬物動態解析の手法を用いて筋肉量減少と薬物動態の関係を再構築し、薬物の筋肉組織分布の変化と体内動態の関係を定量的に明らかにすることにより、神経筋疾患患者の個別薬物投与設計の確立に繋がることが期待される。
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