2019 Fiscal Year Research-status Report
Regulatory T cells and drug-induced liver injury in type 2 diabetes
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19K07202
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
濱田 和真 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (90596884)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 肝障害 / 糖尿病 / 薬物代謝 / 肝免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では2型糖尿病の薬物性肝障害(DILI)感受性を規定する機序を肝免疫環境の解析から明らかにし、2型糖尿病におけるDILI発現予防や早期回復など新規な治療戦略を探索することを目的とする。本年度は2型糖尿病において制御性T細胞(Treg)の視点に立ったintrinsic-DILIおよびidiosyncratic-DILIの解析に必要な基礎検討を行った。免疫介在性idiosyncratic-DILI誘発薬物を用いてin vivo肝障害の解析を行った結果、Phase I酵素の誘導ではDILI感受性変動は認められず、PhaseⅡ反応阻害、具体的にはグルタチオン(GSH)生合成阻害による反応性代謝物の応答を強化した系でDILI感受性増大が見られた。この時、TNF-α、IL-1β、TGF-β、IL-17の発現変動が見られた。さらに当該肝障害モデル最適化の検討を行ったところ、マウス週齢によるDILI感受性の差が見られた。その機序について検討したところ、感受性の高い週齢においてcyp2e1の発現が高い傾向が見られたが、反応性代謝物生成およびDILI発現への寄与が大きいと想定されるcyp分子種の発現については明らかな差は見られなかった。また、肝内GSHレベルと週齢によるDILI感受性の差にも明らかな関連性は見出せなかった。一方、肝IL-17発現がDILI感受性に関与する可能性を見出した。Intrinsic-DILI誘発薬物による2型糖尿病と非糖尿病間で見られるDILI感受性の差に関する検討では、反応性代謝物生成量のみでは十分説明できず、インフラマソーム活性化を介した毒性初期応答の差が関与している可能性が示唆された。次年度以降、肝免疫調節機構においてTregが果たす役割により迫ることでDILI感受性を規定する機序を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝障害モデル最適化に時間を要し、感染症拡大の対応に伴い動物実験計画を一部変更、延期したため。
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Strategy for Future Research Activity |
変更なく当初の研究実施計画に従い推進する。ただし、前年度延期および十分実施できなかった肝免疫応答に関するin vivo実験から優先的に着手する。
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Causes of Carryover |
感染症拡大の対応に伴い動物実験計画を一部変更、延期したため、病態モデル動物を用いた抗体実験等を十分に実施できなかった。次年度使用分は当該計画物品費に充てる。
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