2021 Fiscal Year Research-status Report
Regulatory T cells and drug-induced liver injury in type 2 diabetes
Project/Area Number |
19K07202
|
Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
濱田 和真 帝京平成大学, 薬学部, 准教授 (90596884)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 肝毒性 / 初期免疫応答 / 自然免疫 / ミトコンドリア / プロテオーム / バイオインフォマティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2型糖尿病の脂肪肝すなわち非アルコール性脂肪性肝疾患における薬物介在性免疫応答のうち、特に初期免疫応答として肝細胞内で起こるイベントに関する解析を中心に行った。具体的には前年度、重篤肝障害誘発モデル薬物処置によって自然免疫系で認識されるミトコンドリアDNAなどのダメージ関連分子パターンDAMPsが脂肪肝ミトコンドリアから顕著に放出されることを見出したことを受け、肝毒性薬物処置に伴いミトコンドリアから膜障害依存的に放出される分子群を網羅的に解析した。糖尿病性脂肪肝モデルマウス肝ミトコンドリアから放出される分子群と非糖尿病対照マウス肝ミトコンドリアから放出される分子群を単離ミトコンドリアから同定し、プロテオーム解析ソフトウェアを用いてgene ontology情報を付与した。さらに肝毒性薬物共存下で変動する分子をリストアップして自然免疫系および獲得免疫系に関連する分子を抽出し、糖尿病脂肪肝と非糖尿病正常肝の肝毒性薬物に対する免疫応答の違いを分子レベルで網羅的に明らかにした。さらにプロテオーム実験データを用いたバイオインフォマティクスによるネットワーク解析から、肝毒性薬物によってミトコンドリアから放出した分子同士の制御関係を再構築して関連が深い生物学的イベント、病態、パスウェイを統計学的に記述し、糖尿病脂肪肝と非糖尿病正常肝の薬物応答性の違いに関する全体像を見出した。以上、2型糖尿病脂肪肝において肝毒性薬物が誘発する肝細胞イベントを明らかにし、本病態において薬物性肝障害感受性を規定する機序として着目している肝細胞イベントと制御性T細胞のつながりに関する知見を得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
肝細胞と制御性T細胞の相互作用の解明につながる知見を得た一方で、感染症に伴う研究計画延期、変更等によりin vivo実験が十分に実施できなかったため
|
Strategy for Future Research Activity |
得られた知見に基づき、抗体、アジュバント等を用いて2型糖尿病脂肪肝における薬物性肝障害の感受性を規定する機構、因子を解析する
|
Causes of Carryover |
感染症拡大の対応等を受け研究計画を一部変更、延期したため。次年度使用分は当該研究計画の物品費に充てる
|