2023 Fiscal Year Annual Research Report
高精細3Dイメージング装置の新規開発とノックアウトマウス胚の表現型解析への活用
Project/Area Number |
19K07241
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Research Institution | Gunma Prefectural College of Health Sciences |
Principal Investigator |
多鹿 友喜 群馬県立県民健康科学大学, 診療放射線学部, 准教授 (90400738)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池澤 麻衣子 (高橋麻衣子) 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (50701322) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | CoMBI / VAMP5 / development / lymphatic tissue |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、マウス胚、10から16日目において、VAMP5の発現場所の3Dデータを獲得し、それを描出することに成功した。VAMP5の発現を検出するために使用した試料は正常VAMP5と、VAMP5遺伝子座にLacZ遺伝子を挿入したヘテロ接合子マウスである。VAMP5ノックアウトマウスは出生直後致死であるが、ヘテロ接合子は正常に発達し生殖能力も有する。両マウスをLacZ-X-galシステムで着色することでVAMP5の発現場所を特定し、死因究明を目指した。 本研究全体では、従来から独自開発している2D&3D形態解析装置(CoMBI装置)を改良し、高精細な解析ができる新型CoMBI装置の開発に成功し、マウス胚のような小さな標本を3D形態解析できるようになった。高精細型のCoMBI装置を利用してVAMP5ノックアウトマウスとヘテロ接合子マウスの胚をまるごと詳細な3D形態解析を行った。成体マウスを用いた以前のデータから、VAMP5は骨格筋、心筋、肺、尿管に出現することを予想していたが、調査した胚発生期ではこれらの器官のうちでは心筋にしか検出しなかった。むしろ、予想した器官以外にVAMP5が多く発現することがわかった。VAMP5は、12および14日目胚において、脾臓、腸間膜、咽頭粘膜下組織、脳頭蓋底の結合組織、脊髄腹側の結合組織、腋窩に、VAMP5が発現していた。CoMBI法は同一標本で切片をもちいた顕微鏡解析も同時に行えるのが特徴である。胚の切片を顕微鏡観察したところ、粘膜下組織や結合組織の細胞群は組織を形成していない段階であった。脾臓のような器官の同定はできなかったものの、これらの分布パターンは成体のリンパ管やリンパ節といったリンパ組織の分布と完全に一致するため、VAMP5がリンパ組織の形成初期に発現すると考えられた。これらの器官形成におけるVAMP5の機能解析は今後の課題である。
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Remarks |
開発したCoMBI装置の作り方を使い方を公開している
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