2020 Fiscal Year Research-status Report
The elucidation of the significance of unique primary cilia in the anterior pituitary by modern 3D imaging techniques.
Project/Area Number |
19K07261
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
甲賀 大輔 旭川医科大学, 医学部, 准教授 (30467071)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一次線毛 / ゴルジ装置 / 下垂体前葉 / 3D / 走査電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 連続切片SEM・3D再構築法による下垂体前葉内分泌細胞一次線毛の3D形態解析:免疫電顕法と連続切片SEM法を複合した新たな手法を用いて、各ホルモン産生細胞を正確に同定した上で、各細胞にみられる一次線毛の3D微細構築を解析した。その結果、細胞種によって多様な一次線毛の形態的特徴が示された。さらに、一次線毛の起点となる中心小体と、他のオルガネラとの空間的関係性についても観察を行った。下垂体前葉に特異な一次線毛の形態的特徴について、論文投稿準備中である。 2. SEM・オスミウム浸軟法による下垂体前葉ホルモン産生細胞の3D微細構造解析:オスミウム浸軟法は、細胞内オルガネラの3D微細構造をダイレクトに観察することができる唯一の手法である。本研究では、この手法を用い、下垂体前葉ホルモン産生細胞(GH、PRL、LH/FSH、TSH、ACTH細胞)の膜性オルガネラ(ゴルジ装置や小胞体、ミトコンドリア)の3D微細構造の特徴を解明した。各内分泌細胞・ゴルジ装置の3D微細形態の特徴だけに留まらず、小胞体やミトコンドリアの空間的配置関係を示すことができた。超薄切片像の解析結果から各内分泌細胞の同定を行うことができた(具体的には、ホルモン果粒の大きさや形態的特徴から各細胞を同定した)。これらの解析結果は、「下垂体前葉各内分泌細胞の3D形態アトラス」として論文投稿予定である。 3. 発生・分化・成長に伴う中心小体の動態と一次線毛の構築起点の解明:現在、本課題を遂行するための組織標本の作製を行っている。具体的には、光学顕微鏡試料と電子顕微鏡用試料の作製を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの影響で、本年度は出張が困難であった。共同研究者との打ち合わせは、オンラインミーティングを定期的に行うことで、研究を進行する事はできたが、全体的に少し遅れがみられた。また、昨年度までは、最新の電子顕微鏡機器による観察を行うため、高頻度で出張していたが(月に一度程度)、今年度は一度も叶わなかった(電子顕微鏡解析に少し遅れがみられた)。このような状況においても、今年度は何とか課題を進めることができた。具体的には、①連続切片SEM・3D再構築法による下垂体前葉内分泌細胞一次線毛の3D形態解析、②SEM・オスミウム浸軟法による下垂体前葉ホルモン産生細胞の3D微細構造解析、について研究を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、「連続切片SEM・3D再構築法による下垂体前葉内分泌細胞一次線毛の3D形態解析」、「SEM・オスミウム浸軟法による下垂体前葉ホルモン産生細胞の3D微細構造解析」について、研究を進めていきたいと考えている。次年度は、この2点の内容に関し、論文投稿・受理を目指す。さらに、「発生・分化・成長に伴う中心小体の動態と一次線毛の構築起点の解明」についても順次、解析を進めていきたいと考えている。これらの研究を遂行する上で、新たなイメージング技法の開発にも挑戦する。
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Causes of Carryover |
(理由)購入予定の試薬が令和2年度内に購入できなかったことによる。
(使用計画)令和3年度に物品費として使用する。
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Research Products
(4 results)