2021 Fiscal Year Annual Research Report
口腔顔面筋のパターン運動形成機構におけるコリン作動性投射の形態学的意義の解明
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19K07279
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
松井 利康 岡山理科大学, 獣医学部, 准教授 (90531343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 靖 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 解剖学, 教授 (00195819)
九郎丸 正道 岡山理科大学, 獣医学部, 教授 (00148636)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コリン作動性ニューロン / 運動ニューロン / 脳幹 / 網様体 / ウイルストレーシング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,コリン作動性ニューロン特異的な標識のため,ChAT-CreマウスとCre/lox発現系をもつウイルスベクターを利用している.これまでの研究で,この標識法は脊髄のコリン作動性介在ニューロンの単一細胞トレーシングに有用なことが分かったが,コリン作動性神経核に対するベクター注入では標識細胞数の少ない傾向が見られた.そこで,我々が作製・使用しているウイルスベクター(2種類)を脊髄前角に注入し,コリン作動性ニューロンの標識効率を検討した.その結果,注入部位における標識率は10%以下であった.このことから,両ベクターは多数のニューロンの標識・伝導路解析には不向きである一方,細胞集団から少数の細胞のみを標識したい場合に有用という特性が明らかになった. 網様体のコリン作動性プレモーターニューロンと連絡する神経領域の解析では,延髄中間網様体にトレーサーを注入し,逆行性標識細胞の分布を解析した.その結果,標識細胞は延髄から橋の中間網様核,青斑下核,小細胞性網様核などに存在した.また前述の神経核より少数であるが,橋吻側網様核や巨細胞性網様核にも標識細胞が見られた.これらの神経核は,脳神経運動核に投射するニューロンも存在しており,我々の結果と考え合わせると,運動ニューロンとそのプレモーターニューロンの両者に投射する神経領域である可能性が示唆された.その他,逆行性標識は結合腕傍核複合体に分布が見られた.結合腕傍核複合体は味覚刺激に応答するニューロンが存在し,内臓感覚の受容や呼吸にも関与する.そのため,本研究課題で注目するコリン作動性プレモーターニューロンは結合腕傍核複合体を介して,感覚系からの情報を運動ニューロンに出力する経路の一部を担う可能性が見い出された.
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Research Products
(4 results)