2021 Fiscal Year Annual Research Report
複合的アプローチを用いた多発性嚢胞腎の新規病態メカニズム解明
Project/Area Number |
19K07318
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
西村 有平 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30303720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白水 崇 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00582678)
稲垣 昌樹 三重大学, 医学系研究科, 教授 (30183007)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 一次線毛 / 多発性嚢胞腎 / 脳出血 / ゼブラフィッシュ / USP8 |
Outline of Annual Research Achievements |
多発性嚢胞腎は、両側の腎臓に嚢胞が無数に生じ、最終的には腎不全に至る遺伝性の疾患である。線毛機能の異常が多発性嚢胞腎の病態と関連することが知られているが、そのメカニズムには不明な点が多く残されている。今年度は、線毛形成を制御する脱ユビキチン化酵素の一つであるUSP8の機能解析を中心に研究を進めた。我々はゼブラフィッシュのUSP8をゲノム編集によりノックアウトしたF0個体では、尿細管の線毛形成が異常になり嚢胞腎が出現することを見出している (Kasahara et al. 2018)。このF0個体からF1世代を経て、F2世代のUSP8のホモ接合体ノックアウトゼブラフィッシュの表現型を解析したところ、ほぼ全例に脳出血が起こることを見出した。嚢胞腎では脳出血のリスクが高くなることが臨床的に知られている。また、内皮細胞の一次線毛の異常により、内皮細胞や周皮細胞の機能が障害され、血管が脆弱化し、脳出血を引き起こすことも明らかにされつつある。現在、血管内皮細胞の一次線毛に蛍光タンパク質を歯発現するトランスジェニックゼブラフィッシュを作製し、血管内皮細胞の一次線毛におけるUSP8の機能解析を進めている。本研究で見出したUSP8のホモ接合体ノックアウトゼブラフィッシュにおける脳出血のメカニズムを解明することにより、嚢胞腎と脳出血の関連性に寄与する分子機構をより深く理解することに貢献しうると考えられる。
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Research Products
(7 results)