2022 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanistic analyses of modulation of Tumor microenvironment by characteristic metabolite released from NRF2-addicted cancer cells
Project/Area Number |
19K07379
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Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
北村 大志 東北医科薬科大学, 医学部, 助教 (20706949)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | NRF2 / 肺がん / 腫瘍免疫 / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
転写因子NRF2は固形腫瘍において恒常的に活性化しており、腫瘍形成能の上昇や化学療法、放射線療法に抵抗性を付与し、悪性腫瘍を形成するが、悪性化の原因はまだ解明されていない点が多い。我々はこのようなNRF2が蓄積して、悪性化しているがんをNRF2依存性がんと定義して、その生物学的な特性を解析してきたり治療方法を探る研究を行ってきた。本研究では、NRF2依存性がんの悪性化の原因の1つに、腫瘍免疫に対する抵抗性があると仮説を立てて、検証した。2021年度と2022年度では、公開されているヒト肺扁平上皮がんおよび肺腺がんのトランスクリプトームデータを用いて、がん細胞におけるNRF2の活性化と浸潤してくる免疫細胞の差異について解析した。NRF2標的遺伝子群のトランスクリプトームのデータから患者群を「NRF2 活性が高い群」と「NRF2活性が低い群」に分け、T細胞やマクロファージなど腫瘍免疫に関与する各種の免疫細胞の差異について解析をした。さらに、ヒトの肺がん患者データベースから得られたNRF2活性化がん患者群で特徴的な腫瘍免疫プロファイルを実験学的に証明するために、これまでに樹立されていなかった①C57BL6マウスで同種移植可能、かつ②Keap1を誘導的に欠損できるマウス肺上皮細胞由来のNRF2活性化がん細胞を樹立した。得られた細胞は予想通り、Keap1を欠損することで、NRF2依存性の腫瘍形成能を示したので、腫瘍免疫プロファイルを浸潤してくる免疫細胞の数や構成割合などをフローサイトメトリーにより解析して、NRF2が活性化しているヒトの肺がん患者検体で得られたデータとの整合性を検証した。このように、ヒト肺がん患者検体由来のデータ解析とマウス同種移植可能なNRF2依存性モデルがん細胞の解析を組み合わせて、NRF2依存性がんが腫瘍免疫を回避して悪性化がんに至る機構について研究を行った。
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[Presentation] Inhibition of xCT,cystine/glutamate transporter, supresses chronic inflammation in a mouse model of inflammatory bowel disease2022
Author(s)
岩城英也, 関根弘樹, 村上昌平, 加藤伸史, 北村大志, 福田真嗣, 曽我朋義, 角田 洋一, 正宗淳, 本橋ほづみ
Organizer
The 12th International Conference on the Biology, Chemistry, and Therapeutic Applications of Nitric Oxide
Int'l Joint Research
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