2021 Fiscal Year Annual Research Report
新規炎症性細胞死ネクロプトーシスを可視化する生体イメージング技術の開発
Project/Area Number |
19K07399
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
森脇 健太 東邦大学, 医学部, 准教授 (70778068)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 細胞死 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでネクローシスは物理化学的な要因や栄養の枯渇などによって特定の分子には依存せずに引き起こされると考えられてきたが、近年ネクローシスを引き起こす細胞内分子機構が発見され、制御性ネクローシスという概念が確立されてきた。ネクロプトーシスはTNF(tumor necrosis factor)などのサイトカインや細菌・ウイルス成分などによって引き起こされる制御性ネクローシスである。各種受容体からのシグナルはRIPK3(receptor interacting protein kinase 3)という細胞質内セリン・スレオニンキナーゼに集約される。TNF受容体の下流では、RIPK3はRIPK1と結合し、アミロイド様高次構造体を形成する。この高次構造体の中でRIPK3は自己リン酸化によって活性化される。その後、活性化したRIPK3が下流分子であるMLKL(mixed lineage kinase domain like pseudokinase)をリン酸化してシグナルを伝達する。リン酸化されたMLKLはオリゴマーを形成し、細胞膜などの生体膜にポアを形成してネクロプトーシスを実行する。本研究ではネクロプトーシスの可視化を目指し、その制御分子であるRIPK3やMLKLに着目した可視化手法を検討した。培養細胞を用いてその有効性を検討し、検出感度、効率、シグナル強度などの検討を行った。特にRIPK3の活性化を示す手法において良好なシグナルを得ることができた。ネクロプトーシスの分子機構には未だ不明な点が残されており、本研究で開発された手法を用いることで、分子機構の詳細に迫ることができる。また、生体内でのネクロプトーシスの検出法の確立につながることが期待される。
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