2021 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of genome/epigenome interaction in microsatellite instable gastric cancer
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19K07457
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
松坂 恵介 千葉大学, 医学部附属病院, 准教授 (40610150)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マイクロサテライト不安定性 / エピジェネティクス / TP53 / 胃癌の分子基盤 |
Outline of Annual Research Achievements |
応募者らは、胃癌のDNAメチル化と遺伝子変異に関する先行研究により、過去の報告で定義した通り胃癌はDNAメチル化形質に基づいて明瞭に層別化されることを明らかにしてきた。その中でもDNAメチル化と遺伝子変異が高度に蓄積した一群として、DNAミスマッチ修復機構の破綻によるマイクロサテライト不安定性(MSI)を有した胃癌に改めて着目した。その結果、共通した特徴としてKRAS変異、TGFβ経路の不活化、野生型TP53、MLH1発現消失が確認された。そこで、MSI陽性胃癌の本態解明を目指す目的で、shRNAライブラリーとヒト初代培養細胞株を用いて、TP53非依存的な早期細胞老化経路の解析を行った。これは初代ヒト線維芽細胞株に対してタモキシフェン誘導下にRASの活性化を来すことで早期細胞老化を誘導する実験系を用いて、ヒトの遺伝子を網羅的に搭載したshRNAライブラリーにより早期細胞老化に重要な遺伝子をスクリーニングする実験系である。 その結果、TP53やp16以外に、早期細胞老化に関わる数個の遺伝子の抽出を行った。抽出した遺伝子に対して個別に初代培養繊維が細胞株を用いたknockdownにより早期細胞老化を回避することを確認した。 また、knockdownによる遺伝子発現の変化をRNA-seqにより解析し、早期細胞老化に関わる遺伝子のGO解析を行った。 また、TP53が野生型であることの意義について着目した解析を進めており、TP53を抑制する因子とその阻害剤についても解析中である。特に高DNAメチル化胃癌においてメチル化の標的となっている遺伝子の中に、TP53蛋白質と相互作用し、その機能を活性化させる因子を見出した。異常高DNAメチル化によるサイレンシングがTP53の機能抑制に寄与している可能性があり、治療戦略を考える上でも重要な知見と考えられる。
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Research Products
(7 results)