2019 Fiscal Year Research-status Report
生検膵癌でのRNA結合蛋白-mRNA複合体発現解析と術前病理診断への応用
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19K07461
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
降幡 睦夫 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 教授 (10209158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉林 睦 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 准教授 (40346713)
谷内 恵介 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 准教授 (50626869)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵癌 / 超音波内視鏡下穿刺吸引法 / 免疫組織化学 / 術前診断 / 患者予後 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在膵癌は本邦癌死因の上位を占め、5年生存率も5%以下であり、代表的な予後不良悪性腫瘍の一つである。その原因としては早期発見が臨床的に困難であり、術後も膵周囲組織への浸潤により再発し易いこと、術後の遠隔転移が出現し易く、膵内限局性の小病変においても、すでに転移を認める症例も存在すること等が挙げられる。しかし、これら進行性膵癌を見極める有用な腫瘍マーカーはほとんど同定されていないのが現状である。膵癌術前診断としては超音波内視鏡下穿刺吸引法(Endoscopic UltraSound-guided Fine Needle Aspiration:EUS-FNA)による材料を用いた細胞組織学的検討が行われてきたが、昨今EUS-FNAにおいて機器及び手技等の改良改革が進み、近年特にその穿刺針改良が施され、得られる検体も組織学的検討に適した質・量を満たす生検材料となり、現在これら材料をもちいた膵癌における術前診断への実用化が検討されつつある。 そこで手術適応にある膵癌患者(stage 0, IA, IB, IIA, IIB, III )のEUS-FNAによる生検材料を用いて、我々が今まで膵癌関連遺伝子産物として同定した癌細胞運動・浸潤に関与するRNA結合蛋白の発現を分子生物学的に検討し、その結果を基に膵癌組織における発現及び各蛋白発現の組み合わせパターンを免疫組織化学的に評価する。引き続き同一膵癌患者の手術材料に関して同様の免疫組織化学的検討を行い、浸潤進達度・遠隔転移等の臨床病理学的諸因子との関連や、多変量解析による予後評価を行う。これら生検及び手術材料から得られた免疫組織化学的検討結果を比較することで、両者の高一致率を確認し、術前生検による癌関連蛋白発現結果をもちいた評価及び組織診断に基づき、術前及び術直後からの化学・放射線療法の選択適応性の有無を評価確立することで、膵癌術後治療方針決定にも応用可能な生検材料による病理診断の実現を目的とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和元年度における高知大学医学部病理学教室及び医学部附属病院に関連した膵管癌の、生検(EUS-FNA)及び手術症例を把握集計し、組織型、進達度、リンパ節転移及び遠隔転移の有無等の、臨床病理学的諸因子に関する基本的な統計学的解析を行い、これら採取膵癌材料より作製したスライド切片にて正常部、非浸潤部(上皮内癌)、浸潤・進達部位の目的癌組織を観察後、それぞれ個別に採取評価した。加えて、すでに同定していた結合mRNA由来産物PODXL/ITGB1及びBCL7B/ITGB1の膵癌症例における過剰発現と患者術後予後との関連を検討し、論文として発表した(研究発表参照)。
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Strategy for Future Research Activity |
膵癌生検(EUS-FNA)及び手術症例数を適宜追加しながら、特にEUS-FNA材料の評価に重点を置き、提出材料量が十分量であるか、膵癌組織構築の観察が可能であるか、不適切な材料の全体に占める割合はどのくらいか、等に関して組織学的手法を主体に検討する。さらにmRNA由来蛋白に対するそれぞれの抗体を用いて、膵癌EUS-FNA症例における生検パラフィンブロック材料を用いた免疫組織化学的検討を行い、同一症例の手術パラフィンブロック材料との比較を行う。更に手術材料を主体として、組織型・浸潤進達度・遠隔転移等の臨床病理学的諸因子との比較検討を行い、結合mRNA由来産物発現が、膵管癌症例での進行度評価因子となり得るか、統計学的に解析する。
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Causes of Carryover |
研究開始初年度であり、前半は主として準備期間として当てられ、後半期に予算使用を重点的に配分していたが、新型コロナウイルス蔓延に伴う様々な影響を受け、2-3月の研究遂行が妨げられ、旅費使用分も減少したため。
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Research Products
(1 results)