2019 Fiscal Year Research-status Report
骨肉腫マウスモデルを用いた悪性腫瘍の発症・進展におけるCD109の発現意義の解明
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19K07503
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三井 伸二 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (80646505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 雅英 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (40183446)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | CD109 / 骨肉腫 / 骨芽細胞 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
GPIアンカー型膜タンパク質CD109は,口腔および子宮頸部扁平上皮癌・脳腫瘍・肺腺癌などの種々のヒト腫瘍組織で発現が増強し,これらの腫瘍の発症ないし進展を助長する分子として癌研究分野において注目されているが,そのメカニズムの詳細については依然として不明な点が多い.また,我々が作出した,全身でCD109を欠失するノックアウトマウスでは,その表現型として骨の脆弱化が認められたことに加え,ヒトおよびマウスにおいてCD109が骨芽細胞に発現していることが明らかとなったことから,本研究では骨芽細胞が悪性化した腫瘍である骨肉腫におけるCD109の役割を検討した. まず,複数のヒト骨肉腫由来細胞株でCD109の発現が増強していることを確認するとともに,CD109をノックダウンすることで細胞の移動能が低下するという結果が得られた.また,免疫組織化学的解析により,ヒト骨肉腫組織においてCD109が発現していることを確認するとともに,CD109の発現が高い骨肉腫症例(CD109高発現群)と低い症例(CD109低発現群)に分け,それらの群間で生命予後を比較したところ,CD109高発現群が有意に予後不良であることが明らかとなった. 腫瘍の進展に関するCD109の分子メカニズムをさらに検討するため,CD109と相互作用する分子の解析を推し進めており,現在,細胞株を用いたウエスタンブロッティングおよび免疫沈降法による詳細な解析を行っている.また,並行してCRISPR/Cas9法を用いたCD109ノックアウト細胞の作製も進行中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に沿って,骨肉腫細胞株およびヒト骨肉腫組織を用いた検討を進めており,すでに興味深い結果が得られている. 細胞株を用いた分子メカニズムの解明に当初の予定よりも時間を要しているものの,引き続き,研究計画に基づいて研究をより一層進展させたい.
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Strategy for Future Research Activity |
各種細胞株を用いて,腫瘍の進展において重要な役割を果たすCD109結合分子の同定を目指す.現在,候補となる分子が複数見つかっており,ウエスタンブロッティングおよび免疫沈降法による解析を進める. また,研究計画に沿って,骨肉腫マウスモデルを用いた実験を計画中である.
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] The significance of molecular biomarkers on clinical survival outcome differs depending on colon cancer sidedness.2020
Author(s)
Hirabayashi S, Hayashi M, Nakayama G, Mii S, Hattori N, Tanabe H, Kanda M, Tanaka C, Kobayashi D, Yamada S, Koike M, Fujiwara M, Takahashi M, Kodera Y.
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Journal Title
Anticancer Res.
Volume: 40
Pages: 201-211
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Meflin-positive cancer-associated fibroblasts inhibit pancreatic carcinogenesis.2019
Author(s)
Mizutani Y, Kobayashi H, Iida T, Asai, Masamune A, Hara A, Esaki N, Ushida K, Mii S, Shiraki Y, Ando, Weng, Ishihara, Ponik SM, Conklin MW, Haga H, Nagasaka A, Miyata T, Matsuyama M, Kobayashi T, Fujii T, Yamada S, Yamaguchi J, Wang T, Woods SL, Worthley DL, Shimamura T, Fujishiro M, Hirooka Y, Enomoto A, Takahashi M.
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Journal Title
Cancer Res.
Volume: 79
Pages: 5367-5381
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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