2019 Fiscal Year Research-status Report
Regulation mechanism of apoptosis-inducing death receptor localization allowing for survival in tumor cells
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19K07648
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小島 裕子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60231312)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | DR5 localization / TRAIL / TRAIL-resistant tumor / Importin β1 inhibition / Agonistic antibody / Cancer therapy |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究に関連してTRAIL/DR5耐性ヒト腫瘍細胞株のマウス異種移植モデルを作成、3種の方法でimportin β1を阻害し、in vivoで腫瘍の拒絶を誘導できることを証明した。 1. Doxycycline誘導性にimportin β1の発現をノックダウンする、2種類のHeLa細胞株:#B1、#C14およびコントロール細胞株を作成、RAG-2(-/-)マウスの皮下生着後、 Doxycycline飲水投与と非投与群に分け、各群で抗DR5アゴニスティック抗体:CS-1008またはコントロール抗体:hIgGを腹腔内投与、4群の腫瘍増殖を比較。その結果、Doxycycline投与且つCS-1008投与群で、有意に腫瘍の増殖が抑制、うち#C14腫瘍は完全に拒絶された。 2. RAG-2(-/-)にHeLa細胞株またはHepG2細胞株の皮下生着後、実験1で用いた2種類のimportin β1 ノックダウン配列B、Cおよびコントロール配列を移入したベクタープラスミドDNAを、アテロコラーゲンと共に腫瘍周囲に接種し徐放性にノックダウンを誘導、Doxycycline飲水投与とCS-1008またはhIgGを腹腔内投与し、各群で腫瘍の増殖を比較。その結果、in vivoでimportin β1ノックダウンを誘導した群で、HeLaで腫瘍の増殖抑制が、HepG2で拒絶された。 3. RAG-2(-/-)にHeLaまたはHepG2を皮下生着後、CS-1008またはhIgGとimportin β阻害剤:importazoleまたは溶媒接種を開始。各群で腫瘍の増殖を比較。その結果、HeLaで増殖抑制が、HepG2で拒絶された。 何れの実験でもin vitroでDR5の細胞膜発現が増加しアポトーシスが誘導されることから、TRAIL/DR5耐性ヒト腫瘍の治療にDR5局在コントロールが寄与する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
投稿準備中の論文を作成して投稿した後、レビューアーに要求されたリバイスの実験を行い、その実験結果を加えて論文修正を行い、論文受理までに時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
I. タンパク質合成後の核内DR5の運搬ルートの解析 ① 細胞表面でTRAILと結合したDR5の動態解析:蛍光標識したリコンビナントTRAILを,DDを欠損した野生型 (WT) DR5-GFP発現腫瘍細胞と,2種のNLS変異型 (NLS-M1, -M2) で且つDD欠損のDR5-GFP発現腫瘍細胞に作用させてレーザー顕微鏡で解析,膜でTRAILと結合したDR5が核内に移行しないかを確認する.② 小胞体 (ER) からゴルジ装置 (Golgi) へのDR5輸送とその局在解析:①の細胞にBrefeldin Aを作用させて,ERからGolgiへのタンパク質輸送を阻害した時のDR5-GFPの局在を解析し,未処理の細胞と比較して変化するかを検討する. II. hDR5の局在の決定に関与する分子の探索・その分子の発現と機能の相関の解析 ① hDR5の局在決定に関与する分子の探索:バーコード化されたヒトshRNAライブラリーを用いてTRAIL抵抗性ヒト腫瘍細胞株に組換えウイルスを感染させ,同時に組み込まれた蛍光タンパク質を指標にして,核内への運搬が抑制されて細胞表面でDR5の発現が増加している細胞集団を集め,それを純化する.バーコードによる次世代ハイスループットシーケンシングを行って解析し,ノックダウンにより細胞表面のDR5の発現が高くなるshRNA標的分子を複数ピックアップする. DR5の発現量を変化させずに,腫瘍細胞のTRAIL感受性を有意に上昇させることが可能な,DR5の局在の決定に働く候補分子を同定する.② 腫瘍細胞における候補分子の発現と機能との相関性の解析:様々なTRAIL感受性及び低感受性腫瘍細胞株において,候補分子の発現量とDR5の局在を調べ,DR5の核内移行との相関を明らかにする.
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Causes of Carryover |
学会出張費を本研究旅費より支払わなかったことによる。次年度の物品費として使用予定である。
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