2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the various mechanisms of cancer metastasis using in vivo imaging
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19K07685
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 善文 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特任研究員 (60391877)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | In vivo imaging / 悪性リンパ腫 / EL4 / 2光子顕微鏡 / 肝臓 |
Outline of Annual Research Achievements |
転移巣形成メカニズムの解明は、原発巣から離れた数個のがん細胞の動態を追う必要があるために、一細胞レベルで、がんの動態を観察する必要がある。申請者は、生きたマウスにおいて、一細胞レベルでがん細胞の動態を観察可能な2光子顕微鏡を用いて、大腸粘膜層上皮毛細血管、肝臓、および骨髄などでのがん細胞の動態解明を試みている。
昨年度は、マウス悪性リンパ腫EL4細胞が集合するメカニズムを探るために、結節を作っていないEL4細胞群と作っているEL4細胞群の間のmRNAプロファイルを比較した。細胞間接着に関与するタンパク質のmRNAの増加が多数見られた。候補となる接着因子が結節部位において高発現してるかを免疫組織染色の実施を試みる予定だったが、かなり多くの因子が変動しており、確認するための抗体の存在しない因子が多くあり同定までには行きつかなかった。クラスター解析を行った結果、むしろ、様々な接着因子が全体的に上昇している傾向にあったため、EL4細胞が集合するメカニズムは、全体的な接着因子の増加によるものと結論付けた。現在、論文を作成中である。 また、2光子顕微鏡を用いて並行して行っていたマウス生体内イメージング研究において、腸を生きたままで観察し、がんの形成および進展に関与するスフィンゴミエリンの分布を調べた。大腸および小腸においては、粘膜層の陰窩の表層に、スフィンゴミエリンが分布していることがわかり、代表者を筆頭著者、研究責任著者として、Biochem Biophys Res Commun. 2022 Apr 14;611:14-18. doi: 10.1016/j.bbrc.2022.03.128. Epub ahead of print. PMID: 35472605.に報告した。
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