2019 Fiscal Year Research-status Report
婦人科癌の重複癌症例に対する マルチ遺伝子パネル検査によるがん関連遺伝子の解析
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19K07780
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
楠木 総司 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (50459103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江口 英孝 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00260232)
平山 貴士 順天堂大学, 医学部, 助教 (20816962)
藤野 一成 順天堂大学, 医学部, 准教授 (40543666)
吉田 惠美子 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 博士研究員 (90825788)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 重複癌 / 卵巣癌 / 子宮体癌 / 転移 / 遺伝子パネル |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度から2年度中期までの達成目標としては、子宮体癌卵巣癌の重複癌と子宮体癌の卵巣転移症例の判別に寄与する診断マーカー遺伝子の抽出である。このため重複癌症例と子宮体癌の卵巣転移症例における発現遺伝子を比較し、変異あるいは発現差のある遺伝子を抽出する必要がある。 子宮体癌において、腫瘍が原発巣に限局する臨床的I期における卵巣癌の合併は 5% 程度と症例頻度としては少ない。すでに凍結検体として保存し、オプトアウトにて本研究への同意を得た症例約1000症例のうち、重複癌かつ子宮体癌、および卵巣癌の双方の検体を採取保管してある症例は10検体未満であり、重複癌と転移性癌の判別に寄与する候補遺伝子のスクリーニングを実施するには、検体由来の核酸の質が不適正となる可能性を考慮すると症例数が十分ではない可能性が示唆された。 このため、並行して当院で婦人科癌手術を施行した症例年間300症例の病理診断結果を後ろ向きに約10年分探索し、子宮体癌卵巣癌同時発症症例9症例、および子宮体癌卵巣転移症例7症例を抽出した。これらの後ろ向き症例のFFPEブロックのうち、腫瘍部分を含む全てのブロックから薄切切片を作成した。さらにこれらの各切片をHE染色で染色し、病理専門医による病理診断データに基づき顕微鏡による検鏡を実施し、最も多くの腫瘍組織を含有するFFPEブロックの選別を実施した。次年度以降はこれらのFFPEブロックから作成した薄切切片から腫瘍組織部分をレーザーマイクロダイセクションで切り抜き、これより各腫瘍部位に特異的な核酸抽出を実施する。これらの核酸を用いて全エクソームシークエンスを実施し、さらに公共データベースや文献に記載されているデータを用いて、判別に有用と考えられる遺伝子候補の決定を抽出する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で用いる検体は、凍結検体とFFPE検体であるが、初年度内に凍結検体およびFFPE検体の選別を完了した。子宮体癌において、腫瘍が原発巣に限局する臨床的I期における卵巣癌の合併は 5% 程度と症例頻度としては少ないため、引き続き検証症例数を確保するための前向きにみ収集を継続している。 後ろ向き収集済み検体は、腫瘍部分の同定も完了しており、予定通り本年度よりレーザーマイクロダイセクションで腫瘍部分の採取および核酸の抽出を実施し、これらの核酸を用いて全エクソームシークエンスを実施可能な準備が完了した。 また本研究は、初年度より大学院生2名も参画し、若手教育の点からも進捗が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度より実際に組織検体より核酸を抽出し、全エクソームシーケンスを実施する。症例は、スクリーニングデータセットの他にバリデーションデータセットを設定し、スクリーニングで抽出された候補遺伝子の有効性をバリデーションデータセットで検証する。具体的には重複癌症例と子宮体癌の卵巣転移症例における発現遺伝子を比較し、変異あるいは発現差のあるパネル候補遺伝子を抽出・同定する。 本研究は若手研究者の育成にも積極的に取り組む課題であり、シーケンスデータの解析に関しても大学院生の課題として教育を実施する計画である。
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Causes of Carryover |
初年度内には全セクソームシーケンスの実施のための検体調整までを実施しており、2年度目にこれらを用いてシーケンスを実施するため、全シーケンス予算のうち一部が次年度に繰り越しとなったため。
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