2020 Fiscal Year Research-status Report
有症状者の病態診断目的に行うスクリーニングCTのがん検診に関する効果
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19K07877
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
寺澤 晃彦 藤田医科大学, 医学部, 教授 (30399597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二橋 尚志 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 医長 (00426496)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 全身CT / 偶発所見 / がん検診効果 / 造影剤による副反応 / システマティックレビュー |
Outline of Annual Research Achievements |
長寿医療センター放射線科二橋尚志部長を分担研究者として迎え、研究実施の分担・効率化を進めた。 全身ルチーンCTによるがん検診効果のシステマティックレビュー(SR)については外傷患者の全身CT研究を対象に研究計画簡易版を国際レジストリPROSPEROに2020年7月に投稿、正式版は論文化して学術雑誌に投稿、最終的にMedicine誌に12月受理された。現在本プロトコールに準じて検索を実施、63件の外傷以外の陽性所見(偶発所見)について検討した一次研究についてSRを実施中である。当初プロトコール作成目的で実施した簡易サーチでの該当論文は14件で、解析単位は全身評価を想定した。正式検索での総該当論文数は多く、詳細に研究報告を分類した結果では評価対象部位に基づく解析単位の複雑性(全身評価、体幹部のみの評価、各解剖学的グループ別評価(頭部、胸部、腹部等))が同定された。また、偶発所見の臨床的重要性・重症度の操作的基準は研究間で高い異質性があり、現在データ整理中である。 上記SRの経験に基づき、1次研究の研究計画を修正した。後方視的に同定した救急外来を受診し、全身CTを撮影した外傷患者500名について、診療記録に基づいて患者特性データについてデータベース化を終了した。今後は画像検査について再読影を実施し、操作的な分類から観察された外傷以外の所見についてデータ抽出を行う予定である。 CT検査に造影剤を追加的に使用する害についてのSRでは16件の非ランダム化比較研究を同定、研究特性に関するデータを抽出し、造影剤の副作用発現頻度を予防的介入(ステロイド剤、抗ヒスタミン剤、両者併用、造影剤変更)の有無に基づき比較効果を定量中である。これまでの結果では予防目的にステロイド剤を使用された症例において副反応発現頻度が高く、適応による交絡の可能性が疑われた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
偶発所見のシステマティックレビュー(SR)については偶発所見の臨床的重要性・重症度の操作的基準が研究間で異質性が高く、さらに解析単位も研究間での異質性が高いため、両者を同時に標準化したデータ解析システムを構築するのに予想以上の時間を要した。 一次研究についても同様に、SRで観察された複雑性を考慮した偶発所見の操作的基準を適応するため、データ抽出作業に遅れが生じた。 造影剤追加使用に関連する追加的な害についてのSRでも予防法に基づいての評価が必要であり、異質性の高い予防法を操作的に分類する作業に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
偶発所見のシステマティックレビュー(SR)については分類が明確である明らかな悪性腫瘍、緊急性を要する偶発所見を中心に焦点を絞り、解析単位別に解析を進めていくこととする。得られた結果を統計学的に統合し、論文化を進める。 一次研究については画像所見の再読影を積極的に進め、データベース構築を完了し、偶発所見の発見率を算定、論文化を進める。 造影剤追加使用に関連する追加的な害についてのSRはリスク因子ごとの副反応発症率についての定量的統合を実施、その後予防法毎に副反応減少効果について比較効果を評価し、論文化を進める方針である。
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Causes of Carryover |
旅費に関しては情報収集を目的としてCochrane colloquium 2020 Torontoに参加を予定していたが、COVID-19の感染流行のため開催延期となり、出張を取りやめたことによる。こちらについては今後COVID-19の感染流行状況を吟味しながら、2021年度の計画を修正する予定である。
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