2021 Fiscal Year Annual Research Report
最新機器を用いた肺がんの高感度診断マーカーの確立、治療標的分子の同定
Project/Area Number |
19K07884
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高野 淳 東京大学, 医科学研究所, 特任講師 (50582607)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
醍醐 弥太郎 東京大学, 医科学研究所, 特任教授 (30345029)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 分子標的治療 / 腫瘍マーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
バイオマーカー:エキソソームをがん細胞の培養上清から抽出し、超遠心分離したExosomeの中に含まれる核酸は、極めて微量であり、1コピーからの検出が可能なDigital PCRを用いて、高感度に検出しえた。現在、血中Exosomeに含まれる核酸の検討を行っている。 血中自己抗体:ガン細胞由来の微量タンパクに対して産生される自己抗体を、ELISAやarrayキットで抽出し、早期診断や治療効果予測に用いる。シングルセル解析:不均一ながんでの評価のために特定のタンパクの検出が困難となっているが、機器の購入は終わり予備検討中を行っている。 治療標的分子の探索、臨床応用:がん(特に肺がん、乳がん、口腔がん)に特異的なを対象とし、正常組織での発現が少なければ、がんの治療標的分子となり得る候補タンパクを中心に解析を行った。候補タンパクについては、siRNA, Flow cytometry, live cell imagingなどで機能解析を行い、論文での報告を行った。肺がんではURST1を同定し、がんで高発現し、URST1発現が予後マーカーであることが分かった。URST1の阻害剤が肺がんの増殖抑制効果を確認した。また、OASEP1も肺がんの有望な治療標的分子であった。また、OSSEP1は、分泌タンパクであり、早期診断マーカーとしての可能性も探索中であるが、OASEP1のレセプターも同定した。乳がんではKIF20Aを同定し、乳がんで高発現し、KIF20A発現が予後マーカーであることが分かった。KIF20Aの阻害剤であるPaprotrainで乳がんの増殖抑制効果を確認し、臨床応用へつながっていくものと考えられる。口腔がんについては、OIP5, HJURPがsiRNAで候補タンパクの発現を阻害することで、がん細胞の増殖が抑制された。いずれも口腔がんの予後マーカーであることがわかった。
|