2022 Fiscal Year Annual Research Report
オルタナティブオートファジーとマクロファージを標的としたサルコペニア治療法の確立
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19K07891
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
池田 義之 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (00573023)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪薗 琢郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (00598013)
赤崎 雄一 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (00631920)
大石 充 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50335345)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | サルコペニア / フレイル / オートファジー / マイトファジー / ミトコンドリアダイナミクス / 老化 / 骨格筋芽細胞 / 細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、フレイル・サルコペニアの分子機序を実験的に明らかにし、最終的には新たな治療手段の創出を行うことを目標に当該課題研究を行っている。フレイル・サルコペニアを来す疾患背景に脂質異常症を背景とした動脈硬化が挙げられることから、昨年度はこれら疾患と細胞のホメオスターシスや老化との関係に関して研究を行ったところ、酸化LDLがそのスカベンジャー受容体であるLOX1とアンギオテンシンII type 1受容体との連関を介してミトコンドリアダイナミクスを過度なFissionに傾かせ、かつマイトファジーを抑制することがその分子機序であると判明した。この発見を基に、本年度はヒト培養骨格筋細胞を用いてミトコンドリアダイナミクスやマイトファジーと骨格筋細胞の分化との関係について詳細な検討を行った。最終糖化産物(AGE)を骨格筋芽細胞に添加した動脈硬化モデルや、骨格筋芽細胞をエストロゲンの除去された培地で培養する閉経モデルにて検討を行ったところ、いずれのモデルにおいても、異常ミトコンドリアを除去するマイトファジーの抑制を介して、細胞の分化が抑制されることを発見した。さらに興味深いことに、糖尿病モデルにおいては、マイトファジーの起源となるオートファジー形成において、オートファゴソームとライソゾームが結合するfluxの段階が抑制されることで、結果オートライソゾームが形成されないことが、マイトファジー抑制の原因であることが明らかとなった。現在、このFluxを抑制するシグナルをノックアウトすることで細胞分化が改善するかに関するレスキュー実験を施行中である、本実験が仮説通りの結果となれば、創薬創出へとステップアップが見込まれる段階に達している。
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Research Products
(19 results)