2019 Fiscal Year Research-status Report
Identifications of pancreatic cancer specific neo-antigens with the autoantibodiomics and verifications of diagnostic utilities of its autoantibody screening to neo-antigens
Project/Area Number |
19K07928
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中西 豊文 大阪医科大学, 研究支援センター, 准教授 (10247843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高折 恭一 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10329485) [Withdrawn]
五十嵐 一雄 近畿大学, 医学部, 非常勤講師 (80098467)
松村 洋子 (田伏洋子) 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80388256)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 膵臓癌特異抗原 / 変異トリオースリン酸イソメラーゼ / ネオ抗原ペプチド / 自己抗体 / スクリーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、5種類の市販膵臓癌細胞株(ASPC-1、Capan-II、Miapak-II、Panc-I、A549)を購入し、それぞれの培養細胞から得られた可溶性画分を癌抗原とし、SDS-PAGE(還元条件下)にて分離し、PVDF膜に発現タンパク質を転写後、PanIN分類にて診断された膵臓癌患者血清を一次抗体とし、ECL検出による自己抗体スクリーニングを行ない、今回の主目的である トリオースリン酸イソメラーゼ(TPI)を中心に新しい膵臓癌診断マーカーを検索した。特に、前段階実験にて見出している点変異TPI分子に対する急性及び慢性膵炎、膵臓癌など膵臓疾患関連患者血中に存在する自己抗体の高頻度に陽性を示すことを再確認した。更に、膵臓癌ネオ抗原として今回注目している点変異を呈する変異TPI分子の詳細構造解析を最新のソフトイオン化質量分析手法を用いて明らかにした。 即ち、TPIのN末端より、34番目ValineがLeucineに変異している1次構造配列を明らかにした。この点変異は、既報のMelanoma特異抗原ペプチド(同じTPI分子の28番目Threonineがisoleucineに置換)の近傍に位置しており、MHC-クラスI分子との親和性から容易に標的分子となり得る可能性を見出した。 今後は、点変異TPIネオ抗原ペプチドを化学合成し、HLAクラスI/II分子とのin vitro結合親和性を検証する予定。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前実験結果と同様の研究結果が得られたので、このまま本研究を進めて行きたい
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、前実験結果を踏まえて34番目ValineがLeucineに置換した点変異TPIネオ抗原ペプチドを化学合成(外部委託)し、HLAクラスI/II分子とのin vitro結合親和性を検証し、MHC-クラスI分子が認識する新規膵臓癌抗原ペプチドであることを明らかにする。
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Causes of Carryover |
試薬、物品等の購入に際して、今回の新型コロナウイルス感染症の拡大により試薬、物品等の購入が滞ったため、次年度使用額が生じた。本研究の全体を通じての使用計画については、その影響は殆んどないが、今回の余剰金は、今回見出した新しい膵臓癌抗原ネオペプチドの化学合成(外部委託)に使用する予定である。その他については使用計画に変更は無い。
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