2023 Fiscal Year Annual Research Report
膜障害に焦点を当てた高分子Aβオリゴマーの毒性機序に関する検討
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19K07965
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小野 賢二郎 金沢大学, 医学系, 教授 (70377381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 まゆみ 昭和大学, 医学部, 教授 (40155544)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / オリゴマー |
Outline of Annual Research Achievements |
目的: アミロイドβ蛋白(amyloid β-protein: Aβ)の凝集は、アルツハイマー病の病態に深く関わっている(アミロイド仮説)が、アミロイドとして沈着する凝集最終段階である成熟線維より中間あるいは早期凝集体であるオリゴマーやプロトフィブリルの神経毒性に注目が集まっている(オリゴマー仮説)。しかし、その凝集動態や毒性機序に関してはまだ不明瞭な点が多い。2023年度はAβプロトフィブリルがAβの蛋白構造変換と凝集過程に及ぼす影響について解析した。 方法と結果: Aβプロトフィブリルが及ぼすAβ凝集体生成過程について、チオフラビンT(ThT)を使った分光蛍光定量法を用いて経時的にAβ凝集過程を評価した。また、円二色性スペクトル解析にてAβの蛋白構造解析、高速原子間力顕微鏡(high-speed atomic force microscopy: HS-AFM)用いてリアルタイムでのAβ凝集動態に及ぼすロトフィブリルの影響を観察した。 1.ThTを用いた分光蛍光定量にてAβプロトフィブリルがAβモノマーからの凝集を促進させるだけでなく、ランダムコイルからβシートへの蛋白構造変換を促進させることを明らかにした。 2.HS-AFMによる解析の結果、Aβプロトフィブリル自体からの線維形成は見られない一方で、プロトフィブリルの表面でAβモノマーからの線維形成が促進されていることをリアルタイムに捉えることに成功した。
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