2019 Fiscal Year Research-status Report
嗜銀顆粒性認知症の随伴神経・精神症状と責任病巣に関する臨床神経病理学的研究
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19K07988
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
齊藤 祐子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 臨床検査部, 医長 (60344066)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 嗜銀顆粒性疾患 / パーキンソニズム / うつ / 縫線核 / 黒質 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、嗜銀顆粒性疾患は、認知症の原因の一つとして着目してきたため、ステージ分類も大脳だけに限って作成してきた。一方で、剖検例を見ていると、あきらかに双極性感情障害を呈した例や、抗パーキンソン病が奏功するほどのパーキンソニズムを呈する例が散見されるようになり、その責任病巣について、これまでステージ分類に入れていなかった脳幹や大脳基底核にも着目して、臨床症状との関連を見るのが本研究の目的である。そのためブレインバンクに蓄積されている連続開頭剖検例2391例(24~111歳、男性 1323例、女性1068例)から嗜銀顆粒性認知症あるいは嗜銀顆粒性疾患を抽出し、認知症以外の鬱の有無、パーキンソニズムの有無について後方視的に調査する。そして、その責任病巣としての脳幹の嗜銀顆粒の病理学的評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブレインバンクに蓄積してある症例の2391例中、206例に嗜銀顆粒性疾患あるいは嗜銀顆粒性認知症と診断される症例が存在した。今回は他の疾患の合併例も含めて、すべてを含めている。症例は62~104歳、平均は85.7歳(全2391例では平均は80.8歳)で、男性は10例、女性は105例であった。そのうち、16例で鬱の既往があり、17例にパーキンソニズムを認めたという記載があった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、これまで検索範囲に入れていなかった、脳幹、基底核等について、鍍銀染色、リン酸化タウ染色、4リピートタウ特異抗体および3リピートタウ特異抗体により染色を行い、病理学的な評価を行う。
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Causes of Carryover |
研究の準備のためのデータベースの調査や、倫理委員会の準備など、書類上の研究が主であり、試薬を用いた病理学的な研究が始まっておらず、研究費を次年度以降に回すこととした。
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